第14話 マイマイ

ごぼ・・・


水で満たされた通路を上ると・・・


ざぶ


水面に出た。

空気がある洞窟。


ビンゴ。


「・・・本当に先に進めるとは・・・これは、五英雄の情報にも有りませんでした」


ロリアが驚きの声をあげる。


洞窟の壁は、緑色に光る岩で出来ている。

神秘的だ。

緑色の光が、漂う。


ジュッ


緑色の光に触れたとたん、皮膚が火傷するように腫れ上がる。

痛い?!

魔物か、魔物の攻撃か。


「アーク・ウインディー・ボム!」


ロリアが魔族形態となり、魔法を行使。

突風が吹き荒れ、緑色の光を洞窟の奥へと押しやった。


「大丈夫ですか?」


ロリアの回復魔法が、傷を癒してくれる。


「有り難う。さて、どうしたものか・・・」


そろそろ、ソロに限界がある様だ。

かと言って、ロリアが魔族形態だと、俺が通常武器で戦う事になる。


「やはり、何か従魔を増やしてはどうでしょうか?魔法タイプの従魔がもう1体居た方が良いかと思います。海蝙蝠とか、スケルトンとか。意外と役に立ちますよ?」


なるほど。


--


「烈風撃!」


斧技、風を起こすスキルを発動。


ゴウッ


烈風が起こり、緑の光が遠くへと押しやられる。


「やはり、風を起こせばなんとかなるな」


「なるほど、と言ったのは、攻略法を思いついただけですか・・・」


ロリアが呆れた様な声で言う。

何故。


ぎ・・・


リザードマン、半魚人、魚。

敵が現われる。

こいつら、凄く強いんだよな。

雑魚戦なのに、数時間単位で時間がかかっている。

まあ、攻撃の度に結構レベルが上がるから良いんだけど。


ドロップも、宝箱も、ランクが一気に上がった。

・・・LRは無いけど。

UR武具は増えてきた。


「フォースビート!」


光の鞭が、魚の脳天を撃つ。


LRを喰わせただけあって、鞭の使い勝手が飛躍的に向上している。

結果オーライ。


「そろそろ、日曜日の23時30分ですね」


ロリアの警告。

仕方がない、切り上げるか。


4階層・・・5階層?にも、安全地帯は有る。

そこには、緑の光も来ないようだ。


-----------------------------------------

名前:カギロイ(真名:シルビア)

種族:ニンゲン

種族レベル:[UPD]1433

ファーストジョブ:トレジャーハンター

職業レベル:[UPD]36

セカンドジョブ:なし

STR:[UPD]174

AGI:[UPD]931

DEX:[UPD]894

VIT:[UPD]166

INT:[UPD]51

MEN:[UPD]55

BONUS:0

武器:

 偽装・ダークマター

防具:

 [NEW][UR]神秘の衣

 [NEW][UR]空蝉のマント

装飾:

 [NEW][UR]奇跡の指輪

 [NEW][UR]奇跡の護符

備考:

 ふくろうのかご

-----------------------------------------

名前:ロリア

種族:ミミック

種族レベル:[UPD]1011

STR:[UPD]1109

AGI:[UPD]864

DEX:[UPD]699

VIT:[UPD]683

INT:[UPD]1651

MEN:[UPD]1483

BONUS:0

魔装:

 鞭:321

 弓:121

 剣:99

 斧:76

 槍:33

備考:

 シルビアの従魔

-----------------------------------------


--


「マイマイ?」


カタツムリ?


「今人気ダントツ一位、バーチャルネットアイドルのマイマイですよ。ライバル企業が、コマーシャルソングにマイマイを起用する、と言う噂が有るんです」


経営戦略会議。


「・・・結局、ワンとか言うアイドルはどうなったんだ?」


「それはまた別の企業ですね。同じく、五英雄の関係会社ではありますが」


彼奴等、手広いからな。


「これがその、マイマイの映像です」


「プロダクションのサーバー内に暗号化されてキャッシュで残っていた映像を復号化したのか?」


「そんな訳無いでしょう?!そもそも、サーバー内のデータにアクセスするだけで不可能じゃ無いですか!」


ですよね。


別の部下が補足する。


「バーチャルネットアイドル。動画共有サイトに動画をアップロードして活動しているアイドルです」


「なるほど」


仮想ディスプレイに、愛嬌の有る少年が映る。

これは・・・CGか?


「電子生命体か?」


「そんな訳無いでしょう?!素性不明の人物が、動きをCGモデルに連動させて、動かしているんです。演出も、歌も、全部本人が考えているそうです」


絶対、バックに企業がついてそうだけどな。

個人の活動には限度が有る。


歌が流れ出す。


「ふむ・・・ワンの時とは違って、親しみのある、ノリがいい・・・懐かしい・・・悪く無いな」


魂を持って行かれる様な、ワンの歌。

ついつい口ずさんでしまいそうな、マイマイの歌。


なるほど、これは脅威だ。


「うちも、何か対策が必要かも知れないな」


バーチャルネット魔王、ロリロリとか。


(止めましょう?)


ち。

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