第95話 意図せぬ仕組み
激しい戦いだった。
お互い、相容れない存在同士、死闘。
制したのは、俺達。
魔物が光となって溶け、ドロップが散乱・・・。
負傷者はかなり出たものの、死者は無し。
物陰にて、休息を取る。
「LR武具を2つドロップ・・・本気でやばい場所だな」
「あれでも雑魚敵・・・レベル510万のワールドクエスト級ですね」
月花が告げる。
イベントモブですらなかった。
此処はマイハウスも出せない。
その為、焚き火をおこし、暖を取っている。
ボリ・・・
「美味い」
従魔達が、魔石を食べている。
魔石摂取で疲労も回復できるらしい。
便利だよな。
・・・美味しいのかな?
「そうそう、嬢ちゃん。一気にいくのじゃ」
フェリオがカゲに魔石を勧めている。
ちろ・・・
「ふっ・・・わ・・・」
カゲが魔石を舐め、ビクッとする。
光がカゲを包む。
食べられるの?
「カゲさん、こちらを利用したら摂取しやすいですよ」
メイルがパイプをカゲに渡す。
砕いた魔石をパラパラ入れ・・・
パチン
メイルが指を鳴らすと、パイプから煙が上がる。
すう・・・はあ・・・
カゲが煙を吸うと・・・
ゴウッ
カゲを光が包む。
「・・・なんか凄そうだな。強くなれるのか?」
「すぐには無理ですね。魔石が身体に馴染まないと、力を取り入れるのは難しいです。せいぜい、疲労回復くらいの効果でしょうか」
なるほど。
「吸ってるのも、
月花が言う。
名前は知らんが、さっきの魔物じゃないだろうな?
ひた・・・ひた・・・
もう一体・・・連戦?!
「これは少し・・・まずいな」
トライプニルが呻く。
さっきの戦いから、あまり休めていない。
「く・・・」
俺は覚悟を決め、武器を取る。
「ギガアアアアアア、我を従魔にいいい!」
「断る!!!」
--
何とか倒した。
だが、確実に疲労が蓄積している。
一応、最初よりは被害が少なかったが・・・
このままでは・・・ジリ貧。
「もう動けないうさぁ・・・」
ぐでっとして、魔石を頬張るルナナ。
ガタ・・・
追加が来た。
やるしか・・・ない。
見回すと、みんな疲労が色濃く・・・あれ?
・・・
「なあ、ひょっとして・・・連戦できついのって・・・俺だけか?」
むしろみんなツヤツヤしている。
魔石で疲労回復する・・・当然、体力も魔力も、か。
すっ
カゲが視線を逸らす。
・・・
まあ、適当に頑張ろう。
--
階段。
此処を登れば、下層へ。
・・・
登れれば。
階段には、白骨が群がり、動かなくなっている。
中にメリクルさんもいた。
人骨なので、実は飼い主とかだったのだろうか?
白骨達は、ある地点で阻まれたかの様に止まっている。
と言うか、試したら阻まれた。
「これは、上昇禁止の概念封印ですね」
月花の解説。
「それは、階段からじゃないと登れない、って事じゃなかったのか?他の場所から上がれと?」
出来れば此処の攻略は後回しにして、別のダンジョン行きたいんだが。
フェリオが告げる。
「バグ、じゃの。落とし穴に封印を施した際、誤って階層全体を封印したようじゃな」
バグて。
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