第76話 強制徴兵
カゲ以外の従魔は、送還している。
月花は肩の上だけど。
それにしても、
「スレイ達ついてくるかと思ったが、来なかったな」
俺の疑問に、
「スレイ殿は、メンバーがリアルで圧力かけられたようでござるな。親族に手を回され、離脱せざるを得ない方が」
・・・外道だな。
「そういうややこしい事する奴は、リアルで女神様の天罰が当たるぞ」
「むしろ女神様は、魔王軍と戦う事を推奨されているので・・・」
カゲが困った様に言う。
「そんな事無いと思うけどな。女神様は、きっと何も強制してない」
でも、
「スレイは自由の身なんだろ?」
俺の言葉に、カゲは小首を振ると、
「メンバーが脅迫材料になった上、スレイ自身もリアルで圧力をかけられているでござる」
「・・・もう、ログアウトやめて、通信拒否設定すれば良いんじゃね?」
「メンバーはだいぶ揺らいでますからね・・・」
面倒な。
ともかく・・・やや不本意ながら、ダンジョンのソロ攻略が開始できた。
ダンジョンソロ攻略100個は遠いけど、頑張ろう。
・・・50くらいまでは結構難易度低くて短いのが多かったけど、長くて難易度高いのが増えてきた。
100階層くらいのダンジョンも発見されているが、手は出していない。
中継ポイント的なショートカットも無いしな。
ヒュン
マンタに乗った、サハギンの兵士が飛んでくる。
お前ら、海の中にいろよ。
雲海は海じゃねえ。
「ライトニングスピア!」
月花が無数の雷の槍を放ち、あっさり撃墜した。
「コレクトスレッド」
魔力の糸で、ドロップの山を回収する。
空中で倒すと面倒だ。
「あ、見えてきましたよ」
月花が指差す先・・・あれが・・・
「ここまで3日。かなりかかったな」
俺が言うと、
「上出来じゃよ。本来の想定人数、レベルでは、1月はかかるわい・・・雲と雲の移動に小ダンジョン通る箇所でも、外側から飛び移ったしの」
フェリオが顔だけ出して話に混じる。
「うさ、うさうさ、うさぁ」
ルナナがうさうさ言う。
会話に混じるなら、ちゃんと喋れよ。
「・・・なるほど、ルナナ殿。それは気づかなかったでござる」
「?!」
カゲ、今の言葉分かったの?!
・・・あれ・・・
「うさぁ」
目を細め、ルナナが呟いた。
・・・
『実はそうなのです』
と書かれたプレートを持っている。
く・・・筆談だと・・・
何言ってたんだ。
とにかく。
やっと。
「ダンジョンの入口に辿り着いた」
呟く。
長いよ。
この後、標準時間3ヶ月の攻略期間・・・
「では、レベル上げするでござる」
カゲが言う。
・・・?
結局、攻略レベルに満たなかったらしく、レベル上げしながらの攻略となった。
攻略に2ヶ月・・・帰りに1週間。
都合2ヶ月半・・・これからはもっと大変なマップが増えそうだ。
100個攻略とか、可能なのだろうか?
--
「強制徴兵?」
面倒な話だ。
リアルで権力者が作った、国際機関、人類最終試練対策連盟。
国際法とやらで、LJOプレイヤーは、労役の義務を課せられるらしい。
俺もバレたら、何か言われるのだろうか。
リアルで見つかったらログアウトも避けよう。
ゲーム内に作られた、LJO攻略機関。
ゲーム内でも、プレイヤーを管理、都市防衛や護衛、都市建設など、
とりあえず、冒険者ギルドは脱退しておいた。
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