第58話 純支援タイプ

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従魔・ルナナを入手しました。

エリア、月の神殿が開放されました。

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終わりっと。


「ルナナは、純支援タイプです。回復魔法、補助魔法の他、特殊スキルがあって・・・因幡の兎イナバウサーを使用できます」


月花の解説。

スキルの内容が分からん。


「どんなスキルだ・・・」


「身代わり、じゃな。死んだ場合に、その死を肩代わりする・・・死んだら消失するこのゲームでは、企画外スキルと言って良い」


なるほど。

デスゲーム設定だから、まさにチートスキル。


「代わりに、戦闘は苦手うさー。ごめんなさいうさー」


ルナナが喋る。


「喋れるじゃねーか」


もふもふもふもふ。


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エリア、月の神殿は後1時間で崩壊します。

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何でだよ?!


「うさあ、ルナナが敗北したから、エリアが維持できなくなったうさあ」


「そんなエリアは初めてだが・・・仕方が無い、出よう」


ダンジョン、ちょっと見たかったな。


「それにしても、良かったです」


月花が安堵した様に言う。


「ん、どうしたんだ?」


「いえ・・・今回は、スキル的に是非従魔に加えたくはあったのですが、かなり難易度が高かったので。無事従魔にできてよかったです」


エリアボス自身は弱いけど。

それだけ神殿が凶悪だったって事だな。

外に出てくれたから助かったと。


もふ


ルナナの頭を撫でた。


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連携の確認を兼ね、雑魚狩り。

量より質、で、魔石を乱獲する為だ。

SR武器でも牽制程度の弾にはなるし。

UR武器が出れば、それなりの威力が有る。

武器は、レアリティ、属性毎に分類して収納している。

勿論、分類しているのは月花だ。


今日の狩場は、蟻の巣。

レベル2〜3万程度の蟻がうようよしている。


ヒュ


俺が火馬の鞭で蟻の頭を引っ掛け、


ガッ


飛ばして別の個体にぶつけ、倒す。


ドサ


?!


何だか、予想以上に大量のドロップが出た。


「流石シルビア殿・・・凄い量でござるな」


カゲが呻く。

いや、これ何だか多いって。


ちなみに、カゲは、連絡要員との事で、ドロップ山分けは不要、と言っている。

まあ、分けてたら、他のギルドメンバーとの差が凄い事になるしな。

その申し出に甘えつつ、時々レアアイテムを渡している。


「ルナナのスキル、月の庭ツクヨミうさぁ。ドロップやレア獲得率が2倍になるうさぁ」


「おお、凄いな。ルナナを仲間にして良かったよ」


「うさぁ」


ルナナは非戦闘員だから、代わりにスキルが本当に強力だ。


「よし、もっと倒そう」


ヒュン


鞭を槍の形状に変化。


「応援するうさぁ」


ルナナが光り、俺の身体が光に包まれる。


「・・・これは?」


「ルナナのスキル、力の証明スサノオうさぁ。ステータスが2倍になるうさぁ」


「強いな?!」


ステータス強化方法で、何倍、というのはチートだ。

特に高レベルになれば、何倍、といった差は生じなくなる。


フルバフをかけて戦う・・・それがベースライン。

もしそのバフを自身がかけることが出来なければ、致命的な力量差が生まれることになる。


レアスキルでステータスを2倍にする・・・これは異常なバフだ。

しかも・・・他のバフと、独立して増えている気がする。

レンジャーのバフ、月花のバフ、そしてルナナのバフ・・・例えレンジャーの元ステータスが低くても、かなりのステータスな筈だ。


サクッ


豆腐に突き刺すように、甲冑蟻を貫いた。

これは・・・凄い。


「凄いじゃないか、ルナナ」


ルナナの喉を撫でてやる。


ごろごろ


目を細め、気持ち良さそうにする。


ルナナがひょこっと、蟻の群れを見て、


ジュッ


蟻の群れに光が飛び、そのまま蒸発。

一瞬遅れて、ドロップの山が出来る。


?!


「ルナナのスキル、威光アマテラスですね。高出力のレーザー照射で、あらゆる物を蒸発させます」


月花の解説。

非戦闘員は何処行った?!


「ルナナは神獣、どうやって倒せるのか悩んでいたのですが・・・良かった良かった」


月花が言う。

実は強かったのか。

一歩間違えたら詰んでたじゃん。


「うさぁ」


ルナナが上を向き、可愛く鳴いた。

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