第15話 ギルド作成条件
「ギルド?」
「うん、ギルド」
俺が問い返すと、フェルが肯定の意を返す。
俺のうろんな目に気付いたフェルが、ふと気付いた様に言う。
「ギルドって、PTの上位的な存在だよ。ギルド専用チャットでメンバーの交流が出来たり、ギルドメンバーのオンライン情報を見れたりするんだよ」
ギルドシステムの説明をしてくる。
「いや、システム自体は知ってる。でも、何故その説明を俺にするんだ?」
「んー、PTって、頻繁に解散するから、不便でしょ?だから、ギルド作りましょう!」
・・・
ギルドシステム、その存在は知っている。
だが。
未実装だ。
正確には、実装はされているが、作成する為の仕組みが実装されていない。
「フェル、ギルドシステムの作成イベントは、後日実装予定です。まだ条件も明示されていないので、条件が明示されてから行動すれば良いのではないですか?」
月花が困った様子で言う。
まあ、今すぐ行動する、ではなく、将来の話をしておくだけ、というのも悪くは無いのだが。
月花の言葉に、フェルがにやり、と笑うと、
「ふっふっふっ、月花ちゃん、シルビア・・・そう、一般には知られていない、ギルド設立の条件・・・それが分かった、と言ったらどうする?」
「月花、ギルド設立の条件って何だ?」
「はい、ご主人様。女神様に拝謁する事、または、女神様に認められる事、または、ギルド作成イベントを達成する事、または、ギルド作成アイテムを入手する事、です」
「何で言っちゃうの?!」
フェルが涙目で抗議する。
いや、プレイヤーが入手可能な情報なら、月花なら分かるだろう。
「まあ、現実的に考えて可能な選択肢は・・・3番目と4番目だな」
「未実装です」
・・・
「じゃあ無理じゃないか?」
にやり
フェルがドヤ顔を回復させ、聞いてくる。
「そう・・・そう思うのが一般の人・・・」
「一般の人は、この条件知らないですけどね」
月花がツッコミを入れる。
「私が入手した情報は・・・正に、2番の情報。女神から認められる条件・・・これは、実は、実行可能なのよ」
「そうなのか、月花?」
「はい」
「何で月花ちゃんに聞くの?!」
フェルが声を大きくして抗議してくる。
や、俺の従魔だし。
というか、月花より信用できる存在なんて居ないし。
「~♪」
月花がくるくる回る。
「・・・とにかく・・・その条件なんだけどね・・・」
「フェルが実行可能な物としては、フィールドのA級以上のボスを単独撃破、20種類以上、ですね」
「何で言ったの?!」
フェルが月花をがくがく揺らす。
こら、人のフェアリーに危害を加えるな。
「GR以上のレアアイテムを1種類以上発見する、LR以上のレアアイテムを20種類以上発見する、ダンジョン単独クリアを20種類以上達成する・・・あたりが、ご主人様が狙える条件ですね」
「・・・そんな条件が・・・月花ちゃん、詳しすぎない・・・?」
「そりゃ、フェアリーですから」
実は、存在自体がチートだよな、月花って。
「私も自分のフェアリーに聞こうかな・・・」
「痴女如きに教える情報はないと思いますが」
「痴女じゃないよ?!月花ちゃん、それ本当にやめて?!」
「・・・すみません、痴女に失礼でした」
「酷すぎない?!」
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