第3話 加入特典
「・・・これ、どうやって戻るんだ?」
「簡単じゃよ。メニュー、と念じればメニューが出る。その一番下に、ログアウト、があるからそれじゃな」
ログアウト、と。
5、4、3、2、1、と数字が表示され・・・
気付いたら、部屋のパソコンの前にいた。
:シルビア「・・・これ、どうやって戻るんだ?」
:老婆「簡単じゃよ。メニュー、と念じればメニューが出る。その一番下に、ログアウト、があるからそれじゃな」
メニュー
:メニューを呼び出しました。
ログアウト
:ログアウトを選択しました。
:5
:4
:3
:2
:1
:ログアウトしました。
・・・なるほど・・・
再度、呪文を唱え・・・
「想像力が有ればこんな事が出来るのか・・・有り難うございます」
「なあに、儂は、楽しんで貰えればそれで良いの、じゃよ」
老婆が、ひょこ、ひょこ、と立ち去った。
その後は、スライムや大蟻を倒した。
文字でやるより楽しいし、攻撃の仕方を工夫すれば連続で攻撃したり出来て・・・
少しずつ倒すのが早くなってきた。
にしても・・・持てる荷物が少なすぎるな。
良く分からないアイテム時々ドロップするけど、持ち物が一杯で持てない。
武器とか盾とかは優先して拾っているけど。
街とかに行ってみるかな。
メニュー、からマップを選択。
街は・・・向こうか。
敵は代わり映えしない。
この辺は初心者の街?
凄くロボットみたいな動きで大蟻と戦っている人がいる。
多分、まだ文字を読んでいるのだろう。
プレイヤーを見つけたから早速挨拶・・・といった事は出来ない。
所詮、引き籠もりは引き籠もりである。
・・・あの人強いな?!
豆腐を切るように、大蟻が一撃で両断された。
街に着く。
さて・・・どうしよう。
とりあえず、荷物を売りたい。
道具屋・・・道具屋・・・
強面のおっちゃんがやってる店と、セクシーなお姉さんがやっている店と・・・
お姉さんかな。
・・・
え、店の人に話しかけるって、難易度高くない?
「どうした、あんちゃん」
強面のおっちゃんが話しかけて来る。
「あ、すみません・・・あの・・・」
「おう、どうした?」
気さくな人のようだ。
「荷物を買い取って欲しいのですが」
「ん?大抵、買取は冒険者ギルドで行うんだがな。武器だけなら買ってやっても良いぞ」
冒険者ギルドかあ。
「すみません、では、武器だけ」
ダガーが2つ、ショートソードが1つ。
「ふむ。これなら、2万だな」
コトリ。
銀貨を数枚渡される。
懐に入れると消え、所持金が2万増える。
便利。
「有難う御座います・・・それで、冒険者ギルドの場所を教えて貰っても良いですか?」
「そこの角を・・・」
おっちゃんが説明を始めると、マップの一部が点灯した。
恐らく、目的地だろう。
「有難う御座います」
礼を言って、ギルドに向かう。
--
「すみません〜」
「あら、いらっしゃい」
お姉さんがにこやかに応じてくれる。
「ここで色々買い取って貰えると聞きまして」
「はい。買取やっていますよ。そちらのカウンターですね」
鑑定レンズっぽい物を持ったドワーフが座っている。
「貴方は冒険者ギルドへの登録が済んでいますか?」
「多分まだですね」
「それでは、登録をお勧めします。一般では受けられないクエストを受けられたり、買取価格が上乗せされます。クエスト達成でポイントも貯まり、ランクも上がりますよ。他にもギルド員専用の施設や、割引価格でアイテムを買えたり、日によっては更に割引で物を販売したりします」
・・・
恐らく、登録しない手は無いんだろうけど、ここまで言われると不安になるな。
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