第3話 コミュニケーション

 とうとう教育実習初日である。

 一週間前の事前指導を受けてから、参考資料には全て目を通したし、それらを利用して指導案も作成した。生徒の顔と名前は一致しないが、どうせ何日か過ごす内に自然と思えられるだろう。


 とにかく準備万端だ。いつものように鏡の前で身だしなみを整え、僕は意気揚々と学校へ赴いた。正門から入る表の道だと登校中の生徒と出くわすため、事前にリサーチした僕は裏門からのルートを通る。


 公園に、林道に、石段に、住居。朝から爽快な気分になれそうな風景の中を歩くのだが、そのどれもが手入れの行き届いていない人工物にしか過ぎず、長閑な美しさよりも退廃的な侘しさが目に付く。


 さらに五月は日差しが強く、早々にジャケットが邪魔となった。ハンカチで汗を拭いながらトボトボ歩いていると、学校の裏門で駐輪場に自転車を停めている生徒と鉢合わせになる。


 いかにもオッサンのような自分の居出立ちに気づいた僕は、気恥ずかしくなって早足で職員玄関へと向かう。


 そして実習室へ入ると、既に三人の実習生が自分の席を確保していた。まずは縦長のO字型に並べられた机の、出入り口から一番遠い奥の席に犬神が座り、そこから手前の席に鯖江と、蟹頭鉄火(かにあたまてっか)が順に並んでいた。


 この蟹頭鉄火と言う凄い名前の女性は、事前指導の時に僕へ席順の間違いを指摘してくれた、あの無愛想な額の広い眼鏡女のことである。彼女の隣と対面の席は避けたいから、犬神の隣しか席が空いていないな……。


「おう、金剛力! おはよう」

「おはよ」


 やはり犬神の隣は暑苦しそうだ。そして彼と対面になるのも嫌なため、僕は仕方なく蟹頭と対面の席に座る。


「はよっす」

「おう、愛鷹! こっち座れよ!」


 気怠そうに実習室へ入って来る人物を視認するや否や、犬神が手招きしたのは愛鷹三太(あしたかさんた)という名の実習生だ。事前指導の日に遅刻し、教頭先生に怒られていた片割れである。


 彼と犬神は高校時代から仲が良いらしく、誘導されるまま僕と犬神の間の席へ座った。ちなみに、犬神が野性味の溢れるワイルドな健康男児だとすると、愛鷹は見た目だけなら女子の憧れる王子様像と一致するようなイケメンだ。


 別に僕は親しく接したわけではないため、彼の内面までは知りようがないが、犬神と同類というだけでチャラそうな気配がする。なるべく彼らのノリに合わせないよう、厳重な警戒が必要になってくるだろう。


 こんなことになるなら、実習室へ一番乗りすべく準備しておくのだった。誰にも表情を読み取られないよう、内心で落ち込んでいると、最後に竹虎明日が実習室へ現れた。


「おはよー」


 彼女は呑気に欠伸をしながら朝の挨拶をし、手近にあった席へ倒れ込むように座る。本当にスーツを着た女性とは思えないほど、髪はボサボサでだらしない。


 その気楽な態度を好意的に解釈すれば、初日にして実習生の緊張感が緩和されていると捉えても良い。だが、実習室の内部に充満する雰囲気から察するに、竹虎の異質性が確立されただけだった。


 みんな教員を目指す志は同じなれど、それぞれが壁を張って牽制し合っているため、三週間を共に過ごす戦友としての距離感を計りかねあぐねている。手を組まねば生き残れないのは分かっていても、どう切り出せば良いのやら……。


「みんなLINEのID教えて!」


 ぐわぁ! 一触即発の空気を顧みず、馬鹿面を下げて犬神が盛大に地雷を踏みやがった! 死をも恐れぬ彼の無謀さに、怒りを通り越して呆れてくる。


 だが、他の実習生たちは嫌な顔を一つせず、犬神の提案に応じていた。確かに情報の共有は大事だが、実習が終わっても関係が残ってしまうのは面倒臭い。


「おはようございます」


 丁寧な挨拶で気まずい実習室へ入ってきたのは教頭先生だった。みんな不意を突かれたように姿勢を正し、教頭先生へ挨拶を返す。


「これから朝礼ですので、その場で生徒へ実習生を紹介します。みなさんは先に体育館へ移動してください」


 教頭先生は素知らぬ顔で一枚のプリントを蟹頭に渡し、さっさと部屋を出て行く。残された僕らは突然の事態に対応できず、ポカーンと数秒間は空白の時間が流れた。



 体育館は職員玄関の向かい側にあった。学校の敷地内なら上履きで自由に歩いても良いらしく、僕は便所サンダルのまま卒業生である彼らの後ろを付いて行った。


 特にやることもなかったせいか、僕たちは体育館に早く着きすぎてしまったようだ。2コートある体育館は閑散としており、二階の窓から降り注ぐ日差しが空気中の塵を照らし出し、辺りを穏やかな陽気で包んでいる。

 そんな中、静寂を切るように犬神が提案をしてきた。


「みんなさ、あだ名で呼び合わない?」


 絶対に嫌です。

 犬神よ、いくら相手と距離を詰めたいからって、それはあまりにも横暴だぞ。てっきり他の人たちも拒否するかと思いきや、愛鷹が意外と乗り気だった。


「いいね。犬神のことは何て呼べばいい?」

「おれのことはイヌでいいよ!」


 お前は下の名前が番なんだから、呼び捨ての方が効率的だろ。わざわざ親近感を持たせようと、聞く人に誤解を招くようなあだ名を自分で付けるな。


 などと、僕は心の中でツッコミを入れまくったが、さり気なく愛鷹は自分のことをスルーして、鯖江の方へ話題を持ちかけた。


「それじゃあ、鯖江先生のことは何て呼べばいい?」

「え、オレ? 別にあだ名とか無かったしなぁ……」

「サバちゃんでいいじゃん」


 横から竹虎が適当に思いついたあだ名を命名する。いや、可愛いとは思うが、二十代の男性にちゃん付けはどうなのだろうか?


「どうも、サバちゃんです」


 いいんだ⁉ 自分で名乗っちゃうんだ⁉


「よろしく、サバちゃん!」

「よろしく、イヌ」


 あだ名で呼ぶことに順応した犬神と鯖江は、男同士で熱い抱擁を交わす。う、見ているだけで気持ち悪い……。

 汚いものを視界に入れないよう、次に愛鷹は蟹頭へターゲットを移した。


「蟹頭さんにも、あだ名を付けないとね」

「クラブヘッドでいいんじゃない?」


 なんでだよ⁉ ちっとも良くねーよ! 人の人生を左右する命名を雑にやるのも、いい加減にしろよ竹虎! 


「どうも、クラブヘッドの倉之助です」


 もはや誰だよ⁉ 蟹頭も無理して便乗したんだろうけど、天丼ネタでボケるにしても雑だし、ツッコミ所が多すぎるぞ!


「おい、そのくらいにしておけ」


 そう言って悪ふざけをする一同を制したのは犬神だった。いや、お前が言い出しっぺなんだけど、その切迫した表情に非難する言葉が躊躇われる。


「倉之助は……可哀想じゃないか?」


 お前の基準が分かんねーよ! てか、倉之助というあだ名は本人が勝手に名乗っただけだから、結果的に誰よりも犬神が蟹頭を馬鹿にしてるぞ!


「ま、蟹頭先生のあだ名は追々考えるとして、次は金剛力先生のあだ名を考えよう」


 またもや愛鷹が標的を変え、図々しくも僕に話題を振る。そしてまたもや、唐突に竹虎が僕のあだ名を命名した。


「金八」


 別人じゃねーか! 恐れ多いわ! せめて金だけは読み方を合わせろよ!


「お、さすが竹虎先生! 分かってる!」


 そして犬神は一体どこに感心しているんだ? おそらく、熱血教師に憧れる身としてシンパシーのようなものを受信したのだろうが、こちらとしてはありがた迷惑だ。


「いえ、金剛力でいいです……」


 ちゃんと嫌なことは嫌だと断ろう。そもそも、僕は彼らと慣れ合うつもりは一切無い。とりあえず三週間の教育実習を乗り切るための、その場しのぎとして付き合っているだけにすぎないのだ。


 僕は彼らのように教師としての自覚が足りないような、子供らしい大人にだけはなりたくない。いつまでも学生の延長線上にいて、みっともなく青春を演じる哀れな存在に成り下がりたくはない。


「ま、ふとしたことで馴染むあだ名もありますし、ゆっくり気長に話をしていきましょう。ちなみに俺のことはサンタって、気軽に呼び捨てで構わないですから」

「あたしはタケ、トラ、アス、何でもいいよ」


 それなのにこいつらときたら、どうして僕が社会に適応できない意固地なガキっぽく見え、そしてフォローされなければいけないのだろう? どうにも腑に落ちない。


「個人的にはトラの方が呼びやすいかな!」


 僕たちしかいない開放的な体育館に、犬神の大きな声が良く響く。彼のウザったい発言に対しても、竹虎は寛大な心で冗句を言った。


「ちなみに、親密度で呼び方が変わります」

「マジで⁉ じゃ、おれだけアスにしちゃおうかな!」

「それは親族だけ」

「妙に生々しい⁉」


 いや、そのツッコミもどうなんだ? やはり犬神は天然というか何というか、どこか抜けていて元気が空回りしている印象があるので、誰かが指摘して笑いに変えてやるしかない。とにかく、彼自身にはギャグセンスが皆無だということが分かった。


 その後も談笑を続けていると、やっと生徒たちが体育館へ入場してきた。体育館を埋め尽くさんばかりの人数が流れ込み、僕たち教育実習生は気を引き締める。


 僕の考えが正しくて、彼らが間違っているのか、はたまたその逆なのか正解は分からない。でも僕には信念がある。教師になって生徒たちに支持されたい、というようなフワフワした心構えで実習を行っているわけではないのだ。


 例え今は僕が正しくなくとも、いつか正しかったことを証明してやる。


× ×


 朝礼での挨拶は緊張することなく、無事に終えることができた。その後に行ったSHRにおいても、初めて生徒と対面したにしてはスマートに自己紹介することができたと思う。事前指導の日と比べれば、かなり進歩したのではないだろうか。


 やはり僕はやればできる。生徒たちと親しく交流できたわけではないが、HRクラスと言えど特に仲良くなっておく必要も無いだろう。教師と生徒では立場も異なるため、そこの境界線はハッキリさせた方が良い。


 そしてHRクラスだけではなく、竜造寺先生が公民を教えているクラスにも同行した。教室の後ろで授業見学をすることにより、大まかな授業の流れや、気づいた工夫を実習日誌にメモしているのだ。


 いずれは僕も、このクラスで授業を行わないといけないため、また最初に自己紹介をするはめとなった。HRクラスと同じく無事に終えることができたが、暫くは新しいクラスへ同行する度に繰り返し自己紹介されられるとなると、少しばかり飽きて気が滅入る。


 そんなこんなで一日目は怒涛のラッシュで慌ただしくも、覚悟していたよりかは苦境に立たされることなく、手応えが無いまま家路に着いたのだった。




 次の日からは自主的に、教育実習生たちで挨拶運動を行った。やるかやらないかは本人たちの自由だったが、やっておくに越したことはないだろう。こうすることで生徒たちと顔を合わせ、自然と受け入れられたら儲けもんである。


 とはいえ、自堕落な学生生活から一変して、早朝から規則正しい生活を強いられるのは体力的に厳しい。


 これに加え、当番の生徒たちと一緒に駐輪場の自転車を整理しなければならないのだ。こんな時ばかりは忘れがちではあるが、鏡の中にいるゴリラ並みの腕力が自分に宿らないか期待してしまう。


「犬神先生、おはよう!」

「おう、おはよう!」


 同じく挨拶運動に参加している犬神は実習一週目にして、生徒からの絶大な支持を得ているようだった。女子からの人気もさることながら、なぜか男子からのウケも悪くない。


 僕だったら絶対に嫌なんだけどな……。だって、あの笑顔とか胡散臭そうじゃん? などと愚痴れるような相手は傍におらず、例えいたとしても僕に対する好感度が下がるだけなのは目に見えているので、僕は意味もなく自転車整理に精を出した。


 挨拶運動が終われば、すぐに朝のSHR時間である。僕たち実習生は取りつく島も無いまま、職員室前で待機していた。


 とはいえ、先生たちの職員会議が終わるまでは時間に余裕がある。沈黙に耐えられなくなったのか、竹虎が最初に口を開いた。


「みんなのHRクラス、どんな感じ?」


 また意味の無い雑談をするのかと思いきや、僕としても非常に興味のある話題だった。いの一番に犬神が答える。


「みんな素直で良い子だったよ! メッチャ楽しい! そっちはどう?」

「あたしんとこは普通かな。サンタは?」

「うるさいのがいる」

「どんな子?」


 いつも優しげな愛鷹が困り顔を見せるとは意外だったが、それよりも蟹頭が身を乗り出すように彼へ詰め寄ったことの方が驚きである。


「まぁ、どのクラスにも一人はいそうなテンションの高い女子かな。蟹頭さんは?」

「ちょっと元気が無いと言うか、大人しすぎるくらいのクラス。サバちゃんは?」

「こっちはもう、本当にヤンチャすぎて手が付けられないよ」


 やはり学年と学科によって、大きくクラスの質が異なるらしい。昨日、何コマか授業見学をしただけでも、竜造寺先生に対する生徒たちの反応に特長があった。


「金剛力先生は?」


 話の流れを察してくれたのだろうか、竹虎が僕にも話題を振ってきた。答えようにも、まだクラスの特徴を捉え切れていないため、他のクラスと相対的に判断することができない。


「よく分からない」


 そうしてお茶を濁していると、ようやく職員会議が終わったらしく、途端に職員室の中がバタバタし始めた。おそらく時間が押している様子であり、一番に竜造寺先生が職員室から早足で現れた。


「おはようございます、金剛力先生」

「はい、おはようございます」

「これ出席簿です。今から連絡事項を伝えるので、歩きながらメモしてください」


 急に指示を受け、僕は慌てて胸ポケットからメモ帳とペンを取り出す。


「来週から中間考査ですので、ちゃんと生徒たちに勉強する時間を確保するよう、先生の方から注意喚起してください。それから授業内でも自習の時間が増えるそうなので、私語は慎んで集中するようにと、強く念を押してください」


 次々と出される情報量に対応し切れず、せっかく用意したメモ帳の文字も殴り書きである。本来ならばそれらは担任の役目なのだが、竜造寺先生の意向で僕は二日目からSHRを任されるようになった。


 とりあえず連絡事項はキーワードだけ覚えれば良いと判断し、説明を受けている間に教室の前まで辿り着いた僕は、まるで何事も無かったかのように平然とした表情で扉を開ける。


「おはようございます」


 和気藹々とした教室の中で僕の挨拶は掻き消されたらしく、生徒たちは僕が入ってきても全く反応しなかった。後ろを向いてクラスメイト達と談笑する者、今の内に宿題を終わらせようと内職する者、ただ一人で何をするでもなく机に突っ伏す者。


 まだ朝のSHRまでは五分ある。なぜ五分も早く教室へ向かったのかと言うと、担任の竜造寺先生は二年生に対してだけ授業をしているため、三年の生徒たちとコミュニケーションするには朝と帰りのSHRしかないからだ。


 それゆえ、僕も彼らと接する時間は限られている。だから生徒たちと話しておきたいのは山々だが、三年生ともなれば彼らは彼らでコミュニティが完結しているため、教育実習生である僕なんかが入り込む隙間など無い。


 自分でも無理を強いられていると思っていても、それでは何のために教育実習を行っているのか分からない。そろそろ教室の後ろにいる竜造寺先生の目つきも鋭くなってきたところだし、僕は思い切って細々と会話をしている男子生徒二人組に話しかけた。


「何を話してるの?」

「あー、ゲームとかの話っすかね?」


 質問に答えてくれたのは鮫島君だ。なんだか避けられているような気もするが、僕は引かずに踏み込んだ。


「どういうゲーム?」

「えーっと、『Call of Duty』って言うタイトルなんすけど、いわばFPSのジャンルですね。けっこう近年ではメジャーな部類だと思います……」


 聞いたことがある。FPSと言うのはファーストパーソン・シューティングゲームの略で、プレイヤーの視点からゲーム中の世界を任意で移動できるというものだ。まだ根強い人気を誇っているらしい。


「ああ、オンラインで一緒にプレイしてたのか」

「先生やった事あるんすか⁉」


 食い気味に反応したのは鮫島君ではなく、その後ろの席にいた牛込君である。あまり知ったかぶって期待させるのも悪いので、僕は正直に未プレイであることを話した。


「いや、高校時代の友達が好きだったというだけで、僕自身は出身が田舎でパソコンを持っていなかったから、やったことはないんだ」

「あ、そうですか……」


 やったことがないというだけで、牛込君は僕から興味を失ったらしい。二人の会話へ介入してしまった負い目もあり、今度は僕の方から話題を膨らませた。


「僕はそれしか知らないけど、シリーズの中でもゴーストの近未来設定は好きだな。あれって元々は中東の紛争によるエネルギー危機から、全世界を巻き込む戦争に発展したんだっけ? 同じ理由で石油危機は実際に二度もあったし、けっこうリアリティのあるストーリーに凝っていて面白いよね」


 もはや僕の長話に対して、牛込君は付き合う素振りさえ見せなかったが、鮫島君は根気良く僕の話を聞いてくれた。


「そんなストーリー重視のゲームじゃなくないっすか?」

「勿論ゲーム性が無ければ楽しめないけど、一応は教師の立場から言わせてもらうとだよ? 僕としてはゲームを通して、少しは社会の仕組みについても興味を持って欲しいな」

「でもフィクションですし……」

「いやいや、物語は現実のフィクションであって、フィクションを模倣した偽物じゃないから。例えば、なぜ中東では紛争が起こりやすいか知ってる?」

「さぁ……?」

「それはパレスチナ問題と言って、ユダヤ人とアラブ人が対立しているからなんだよね。目の前にある豊富な資源を放棄することもできず、中東は民族が複雑に入り組んでいることもあり、長い年月をかけて争っている」

「はぁ……」


 どうやら、なぜユダヤ人が迫害されるようになったかまで説明するには、鮫島君の集中力が続かないようだ。もう時間的に余裕も無いし、また機会があれば話すことにして、区切りの良い所で終わらそう。


「あまり興味は無いかな? それなら石油危機の影響についても触れると、その後の文化まで人々の社会不安に左右されるんだ。例えば、アメリカではパンク・ロックが衰退し、明るいヒップホップが流行した」

「そういうものですか?」

「流行りモノってのは落とし穴みたいなものだよ。今年は衆議院の三分の一が自民党になっちゃった上、憲法改正による集団的自衛権の行使が問題になっているし、どのメディアも戦争物を売り出そうとするんじゃないかな?」


 特に根拠の無い予想をしていると、やっと朝のSHRを開始できる時間となった。非常に長く感じた五分間に辟易しながら、僕はクラス委員長に号令をかける。

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