026話[喧嘩売られました]

プルプルプルプル!

ANTOJET'sの事務所の電話が鳴る。

「はい、もしもし」

~「ANTOJET'sか?Project Freの秋田だ。班長戦、明日10時やるぞ」~

「は?」

ガチャ

こっちは無視と来た。受けてたってやろう。

口調からすると、かなり焦っていた。


「お、来たのか。怖じ気づいたのかと思ったが」

「よくキ〇タマ蹴られてケロッとしてられるな。痛くねーのか?」

「って、そこかよ!痛くねぇよ!(ホントは痛いんだよ!)」

「ま、いいや。で?ルートは?」

ちゃちゃっと終わらせたいんだが。

「9号から湾岸線。そこからC1で、日の出桟橋ゴール」

「分かった」

と二人、車に乗り込み、エンジンを吹かした。

ギュルルルア!バーン!

アクセルを踏み込んだ。

パワー差ではNSXが勝っているが、それ以外はRS-Xが勝っている。C1で抜けそうだ。

ゴトンパシューン!

ギュルルルア!

アクセル踏んでフルブレーキング。そうやって俺らはC1に入った。


「やっぱりC1苦手なんだなアイツ。なんでC1選んだかが分かんないんだけど」

なんて独り言を言っていると、いつの間にか秋田のNSXは消えていた。

消えていたんじゃない。事故って消えた。そう言ったほうが正しいのだろう。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る