020話[鈴鹿サーキットへ]

「んで、そのオールドカー・チームグランプリっていつなんだ?」

「3日後だよ」

なんも悪ぶれることなくサラリと言ってきた。

「3日後っ!?397㎞を1日で行けと?」

「え?だって5時間でしょ?」

「あんなぁ……、休憩を挟んだらもっとかかるぜ?」

普通に行けば、だ。

「それでもANTOJET'sのリーダーか?リーダーだったらリーダーらしく飛ばせよっ」

勇気付けだったのか分からないが、だったら今から行くことになった。


途中、バーフェンのR35が走っていたが大人しく走っていた。

三重に入って鈴鹿サーキットに着いた。

「関係者口から入れってよ」

と通常入口とは別に関係者口があった。

そこにRS-Xを入れる。

中ではチームクルーでごった返し、ドタバタしている。

ようやくカルソニックを見つけ、停まった。

「森谷さーん。庵野来ました」

と八九寺が言った。

すると、「カルソニック代表の森谷です」と挨拶して出てきた。

「庵野です。よろしくお願いします」

「あなたを呼んだのは言う間でもなく、RS-Xを操れるのはあなたが一番上手いと聞きまして……」

「僕の専門分野は公道です」

「鈴鹿はC1に近いかと?」

「グリップは苦手です」

「ドリフトでどうぞ」

と半ば言い合いになってしまったが承諾した。

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