003話[ハコスカ完成]
「ハコスカできたか?」
いや、まだ1ヶ月経ってないですが…?
「うん。一応できた」
だって今日完成したんだもん。
「テストいこうぜ?」
森からの誘い。行ってやろうじゃねぇか。
「いこうか」
……
セルを回す。デュアルマフラーから流れるエキゾースト音はものすごく低音で深く、いい音が出ている。
ドッドッドッ
ボンネットの中に収まったL28改は速く速く行こぉよぉと言っているようにリズミカルだ。
ブォンブォォォンゴトンブォォォン
ゆっくり加速していった。
木場から首都高9号に乗る。
合流の加速は合格。
「湾岸線までの2.5㎞。飛ばしてみ」
そう僕は誘った。
期待した通り、ハコスカは答えてくれた。
「あれ、L28に変えた…?」
森はズバリとボンネットの中身も見てないのにエンジンを当てた―。
「せやで。載せ替えたよ」
「パワーが違うからめちゃくちゃいいよ。これ」
「載せ替えは正解?」
「うん。正解だね」
首都高9号から湾岸線に入った。
途端に、後ろから一気に何かが抜き去った。
「悪魔の…トレノ…?」
ナンバーは確かに所沢 55 ふ 49-721。やっぱり悪魔のトレノ。
森は絶対追う。
「追う?」
珍しい。森が聞いてくるなんて。
「いや。追わない方がいい。だってテストだし、これからセッティングすっから」
僕は答えた。
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