第103話気づいたらオタクだった

 気づいたらオタクだった。


 そういえばいつからだろう、オタク趣味に目覚めたのは?

 自分でもよく分からない。


 中学時代にラノベを読み始めたけれど、その時点ではまだオタクじゃない気がする。

 当時のラノベと言ったら「キノの旅」や「イリヤの空、UFOの夏」などだ。

 萌えというよりも冒険だったりSF要素だったりが重要だった。


 高校時代にはネットにハマったけれど、ネットをしていたらオタクというわけでもない。

 ゲームも好きだったけれど、ゲームなんてオタクじゃなくてもするものだ。


 大学に入った頃には週に何本もアニメを見て、声優さんのファンになって、よくラジオを聴くようになっていた。

 上京したこともあり、アニメファンの集まるオフ会へもよく行った。

 ここまでくればもう立派なオタクである。


 あれ……? 結局どのタイミングでオタクになったのだろう。

 じわじわハマっていった感じで、ここからがオタク! という境目は見当たらない。


 まあ、でも結構幸せだしそれでいいか、という感じもする。

 周りからどう言われようが、自分が幸せなのが一番である。


 二次元の世界は誰にでも優しい。

 僕みたいな人間にでも優しい。

 素晴らしいね、本当に……。


 何かから逃避するために、ちょっとずつオタクになっていったのかなあ、という気もする。

 でも、逃げた先で幸せになれたなら、もうそれでいいのではないか。


 色々考えた結果、僕は考えることをやめた。

 とりあえず、撮り貯めたアニメでも見よう。

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