第99話大学生

 大学生を主人公にした小説が好きだ。


 主人公が中学生や高校生では書けない話が、大学生の主人公でなら書ける。

 サークル活動、一人暮らし、飲み会、ドライブなどなど。

 大学生になると急にできることが増えて、話の幅も広がるものだ。


 それから、大学生といえば最も将来について悩む時期だと思う。


 高校生ならやりたい職業がわからなくても「とりあえず大学に進学しておこう」という選択をすることができる。

 しかし、大学生にはそれができない。

 社会に出ることを余儀なくされ、やりたいことが決まっていない人間にとっては辛い時期だ。


 だからこそ大学生たちは思い悩んだり、気楽に遊べるのは今だけだと言って、騒がしいだけの飲み会を開いたりする。

 惜しむように残りの学生生活を送る彼らの姿には妙な魅力があるように思う。


 彼らの生活は楽しそうである一方、追い込まれてカタチだけ遊んでいるような虚しさも感じられるのだ。

 また、僕のようにその輪の中に入れない奴もいる。

 そこもまた面白い。


 ラノベの主人公といったら高校生が多いが、大学生を主人公にした話ももっと読みたいものだ。

 誰かが書いてくれないかな……いや、いつか自分で書くか。


 年齢的には大人でも、まだ学生なので大人になりきれていない。

 そんな曖昧な時期の不安や葛藤を表現してみたいものである。

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