第11話 99階層
ついに俺は99階層への階段を降りると、そこには少し空間が広がっており、扉があり、看板もあった。それには、
《このさきに99階層の門番がいるよ!》
とだけ書いてあった。それを無視するように扉を開かけるとそこにはまた、巨大なモンスターがいた。いやドラゴンがいた。
「えー!?本物のドラゴン!?かっけぇー!!」
つい本物のドラゴンを見てはしゃいでしまう。しょうがないじゃん。だってドラゴンだよ?会ってみたいじゃん。
そのドラゴンは三階建ての家の大きさぐらいで、赤いオーラを放っている。神話にでてきそうなドラゴンだ。
そう感動していると、上から降ってきた看板が俺の頭に直撃した。
「いってぇな、なんなんだよ」
そう看板を見てみると、
《感動してるところ悪いんだけどね、早く戦闘準備をしないと死んじゃうよ?ここまで来てそんな死に方していいの?》
すごくまともなことを言われ、ショックを受ける。
「こんな奴に、注意されるなんてな。はぁ。」
そうため息をつき、戦闘準備に入る。すると、ドラゴンが赤色のブレスを放ってきた。それを避け、ドラゴンの懐に近寄り切りつける。だが、鱗が硬すぎて剣が弾かれる。
「ちっ。なかなか硬ぇな。限界突破、Lv3ッ!!」
限界突破を発動し、また突撃する。Lv3にしたのは、体力の温存をしたかったからだった。それは、さっきみたいにLv5を使い、戦闘中に倒れるわけにいかないからだ。
「雷切、Lv5ッ!!」
だが、鱗を少し削る程度であまり効いていない。そしてドラゴンが尻尾を振り回し反撃をしてくる。俺が高く跳ぶとブレスを放ってきた。それを回避するために創造魔法を使用する。そしてイメージし、発動する。
「聖壁ッ!!」
目の前に魔法陣みたいなものがソウタを守るように現れ、ブレスをはじく。ブレスが放ち終わると、今度はソウタがまたも創造魔法を発動させ、反撃する。
「くらえッ!!神撃ッ!!」
ソウタがドラゴンに向けて手を振り下ろすと、
ドォォォォォンッ!!!!
と鳴り響いた。
「けっこう魔力をもっていかれたな。さてさて、今の一撃でどうなったかな?」
そう言って、ドラゴンがいた場所を見ると、翼と尻尾と片足を失ったドラゴンがいた。
「「グワァァァッ!!」」
ドラゴンが『俺はまだまだ戦えるぞ』と言うように吠えた。
「さすがドラゴン。かっこいいなぁ。一度でいいから乗ってみたかったな」
そう言い、先程の技を発動させる。
「神撃」
ドォォォォォンという音とともにドラゴンは消滅した。
「ふぅ、魔力がスッカラカンだぜ。はやく神聖石からでた水を飲むか。あー、そうだ。ついでにこの水の名前も考えるか。そうだなぁ。ポーションでいいか」
そんな軽いノリで相当レアな回復薬をポーションと名付ける。
少し休んでから100階層への階段を下りると、99階層と同じような空間に着いた。するとまた看板があった。
《あのドラゴンが君には雑魚扱いか。なんだか可哀想だよ!なのでそんな君には君自身と戦ってもらいます!これが最後の試練だから本気だしてね!じゃないと本当に死んじゃうよ?》
自分自身だと?ドッペルゲンガーか?と思いながら扉を開けると黒い影がいた。
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