第4話 執事の考察
この世界では無く、教育と育児に精通した人物のいる世界。余り土地が広くては絞り込めないし、この世界の様に争いが起こっているかも知れない。
平和かつ教育方針のしっかりとした場所を選ばなければいけなかった。
色々な世界、色々な国を資料で調べた結果、ニホンと言う国が良いと私は判断した。海に囲まれた小さな島で、穏やかな国民性、島の中で争い事も無く、武器を持たず武装もしていない。
それにこの世界とは違いしっかりとした教育機関があり、教える側は資格試験と言うものに合格した優れた人材が揃っている。
実に理想的な国。
私は自室に戻ると、手に持っている履歴書にもう一度目を通した。
児童福祉施設で3年間のアルバイト。
専門機関である養成学校を卒無く卒業。
たった1回の挑戦で国の試験に合格。
貼り付けられている写真からは、穏やかで知的そうな印象を受ける。少々怠惰で抜けている魔王様にしては素晴らしい人選だ。いや決して魔王様を馬鹿にした訳では無い。馬鹿だけれど。
「彼ならこの国の子供達を救ってくれるだろうか…。」
私はまだ見ぬ石田希月と言う存在に確かに期待していた。しかし異世界の人間が我々をどう見るかなど全く分からない。
驚くだろうし、怯えるかも知れない。
彼の人間性を確認し得ない今は、そんな不確定要素に不安がる事自体、馬鹿げた考察なのだけれど。
まぁ使えなかった場合は、そう。
ペロリと食べて仕舞えば良いだけの話だ。
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