第2話 自由への思い
普段なら虫の羽音や、獣の足音しか聞こえない、そんな静かな森の奥から今は、男性の息遣いと女性の押し殺した声が響いていた。そこには裸のユリアが仰向けで仰け反り、腰を激しく打ち付けているアポスの姿があった。そしてアポスの後ろの木の根本で、背中を預け休んでるピサロが、ユリアを見つめていた。
「ほんとに良い女だよな?その長い黒髪に、大きすぎず小さくない胸と、体は少し細めだけど身長がある分バランスが良いよな!」
ユリアは普段は長い黒髪を一本に纏め、ポニーテールにしていた。身長も女性にしては少し高めの168cmあり、顔も母親似の目鼻立ちもスッキリな美人顔をしていた。だが今は凌辱が始まり数時間が過ぎていたので、髪の毛もほどけ乱れており体も汚れていた。
「おっ?そろそろ終わるか?」
ピサロの言うとおり、アポスは激しく動かしていた腰を止め、ユリアに覆い被さった。そしてゆっくりと立ち上がりピサロの下へとやってきた。
「ふぅ~いやぁ~何度やっても良いな!最高の女だぜ!王国の高級娼婦に匹敵するんじゃねぇか?」
アポスはご満悦な顔で興奮していた。それを土の上で倒れ伏しているユリアは、アポスを睨みつけていた。
「いいねその目!それが俺を余計に興奮差せ…くれるんだよ!でもそんなに睨んでもお前は逃げられないぜ?その縄で縛られていては?」
ユリアは腕を頭の上で縛られ、縄の先は大きなっ枝に縛られていて逃げられなくなっていた。だが既に痺れは取れていて話す事は出来るようになった。
「もう満足でしょう?私を解放して!」
ユリアは二人の男達に叫んだが、二人はニヤニヤしてまだ解放はしないと言い。更にユリアが思いもしない事を言い放った。
「な、なんですって……今なんて言ったの?」
「だから?今からお前の家に連れ戻してから、そこで続きをやるんだよ!……クハハハ!」
アポスはユリアの驚いた顔を見て、喜んでしまった。
「まぁそう言うこった?悪いけどもう暫くは、俺達に付き合ってもらうぞ?……それにお前回復魔法を使っているだろう?バレないと思ったか?ヒールとキュアだろそれ?まぁキュアを使っているなら、妊娠の心配は無いだろ?確か避妊魔法とも言われていたよな?」
キュアは(傷、状態異常回復)の効果があり。体内に入った体液を浄化する事が出来るが、受精する前にキュアを掛けなければならないので、完全に安全とは言えないのだった。幸い今の所はユリアは受精をしてないので大丈夫だが、何時までも成功するとは限らない。
「く、だからってね!はいそうですかなんて従うわけないでしょ!」
「お前何か勘違いしてないか?これはお願いじゃなくて、命令なんだよ!お前は言う事を聞いてれば良いんだよ!」
二人の会話を聞いていたアポスが、ユリアの髪の毛を鷲掴みして、頭を持ち上げて睨みつけて言い放った。
「きゃっ……何するのよ!ぺっ!」
ユリアも負けじと睨みつけ、唾をアポスの顔に飛ばした。
「てめっ!」
アポスは頭に血が上り、ユリアの顔を力強く殴りつけた。そして既に限界に近かったユリアは殴られた衝撃で、気を失った。
「あ、やべっ……」
「オイオイ!無理するなよ?」
アポスはピサロに向かい焦った顔で、「スマン」と謝り。ピサロは呆れた顔をしながら、ユリアの状態を確認していた。
「大丈夫だな、ただ気を失っただけだな。丁度良いしこのまま運ぶとするか」
二人は身支度を整えてから、アポスがユリアを背負い、ピサロが前を警戒しながらユリアの家に向かっていた。
ユリアは目が覚めると、見覚えのある天井が目に飛び込んできた。そこは毎日ユリアが見ている自分の部屋の天井だった。
「あれは夢だったのかしら?……つっ」
ガタッ
ユリアは先程までの事は夢だったのかと、思った矢先腕が縛られて動けない自分に気がつき、現実だったのだと思い知った。
「なんて事!あれは現実だったのね……」
カチャ
「おっ起きたのか?」
ベッドががたついた音で、ユリアが目を覚ました事に気がついたピサロは、部屋の扉を開け、トレーにスープと黒パンを乗せて運んできた。
「凄いなこの家備蓄がいっぱいじゃないか?まぁ勝手に使わせてもらったけどな……とりあえずこれを食えよ」
ユリアはベッドの上に座り込んだ。一応チェニックを着せられてはいたが下着は着けられてはいなかった。
「人の家の物を勝手に使わないでほしいわね!」
「ああ……悪かったな?でも使わないと飯食えないし、お前も腹減ってるだ?」
「フン!そんなわけ無いわよ!それにもし変な毒でも入っていたら……」
クゥ~
ユリアがピサロに文句を言っていたけど、その時可愛い音が聞こえてきた。それはユリアのお腹が鳴った音だった。
「おや?……何の音だろうな?」
ピサロは音の正体に気づきながら、ユリアを流し目で見ていた。そしてトレーを持ち上げ部屋を出ようとしていた。
「まぁいらないって言うなら……無理して食べなくても……」
「……ちょ……た、食べないとは言ってないでしょ!……せっかく持ってきて、くれたのですから、食べるわよ!」
ピサロは「くくっ」と笑いを堪えながら、トレーをユリアのベッドに置いたそして渡されたユリアは、顔を背けながらスープの器を縄で縛られてる手で持ち上げて、口の中に流し入れた。
「お、い、しい……」
「え?なんだって?」
ユリアはスープが美味しくて、思わず声が漏れたことに気づき、顔を朱くしてしまった。その後は、部屋にスープを啜る音だけが響き、まったりとした空気が流れた。
ドカッ
ドアを蹴破る勢いで入ってきたアポスは、ピサロを見てからユリアも見る。
「おい!ピサロこんな女世話してどうしたんだ?何時もと違うな?……何時ものお前なら散々弄んでから、奴に頼んで奴隷落ちじゃないのか?……お前もしかして……」
「いや……そんなわけ無いだろ?ただ単にせっかくの良い女だから、健康で身綺麗なのが良いだろうとな?」
ユリアはふと気づく、確か自分はあの時乱暴にされて、髪は乱れ体は汚れたままだった筈だと、だけど今の自分は髪の毛も、体も綺麗だった。
(もしかしてこの男がやってくれたの?食事もそうだけどホントは良い奴なの?……いいえ!良い奴なわけない!無理やり私を犯した奴なんだから!自分の部屋に戻ってきた事で気が緩んだだけ……私はこの二人を許さない。それにさっきの話しからすると、このままでは私は奴隷落ちさせられるどうにかしないと!)
それから数日ユリアは、ピサロとアポスの二人に、代わる代わる体を弄ばれた。その間ピサロはユリアの世話もしていたが、二人は盗賊の隠れ家に戻る事もあり。数時間ユリア一人になることもあった。
「彼奴等が居ない今がチャンス何だけど……私の力ではこの縄を切る事も、解く事も出来ない……でも今までに無いくらい魔法に集中しているおかげで、無詠唱が使えるようになったのよね」
ユリアは妊娠したくない一心で、キュアの魔法に集中し治療した結果、体に流れるマナの流れを、以前より感じる事ができ。イメージ力も上がり無詠唱で魔法が使えるようになったのだ。
「それに一つ気づいた事があったのよね?母さんからは教えてもらって無いけど……もしかして使ってはいけないのかしら……」
ユリアは逃げる方法を思いついた、それをいつ試そうか考えると、ピサロが相手だと感づかれる可能性があるので、アポスが一人の時に実行する事にした。
「あの男なら気づかない筈!見てなさいよ私は自由を取り戻すわよ!」
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