第7話ママチャリ6
まさか貴族様を轢いてしまうなんて……ああ、天国の父よ母よ今向かいます。
「はあ、茶番はよせ。今回に限っては一切の席は追わせぬ。どうせ、これもカレンの指示だろ?」
「それは本当ですか!?ありがとうございます!なんて心の広い貴族様なんでしょうか」
明らかなオーバーリアクションなうえに後半はほぼ棒読み欠片もそんなことを思っていないといっているようなものだった。
「凄いなお雨、ここまで酷い奴をみたことないぞ?まあ、今回は娘が本当に世話になったようなので大目にみるが……それはそうと、カレン?」
「は、はいなんでしょうか?」
突然名前を呼ばれ動揺するがなんとか返事を返す。
「まさかと思うが一人で北の森に行ったのではないだろうな?あそこは盗賊が根城にしてる可能性がるから近寄るなと強く言ったと思うが、どうだ?」
「そ、それは勿論行ってなどおりませんわ。私は、たまたま魔物に襲われたところをソウタ様に救って頂いたのです」
「ほー、カレンお前がこの辺りに出てる魔物に後れを取ったと……」
「え、ええ。そうです。情けない事に油断していたところを背後から襲われまして、その時馬も逃げたしてしまってええ、本当に危ない所でした」
二人の会話を聞いてこのあとこっちに話がくるであろうことは容易に想像できる。その時の為にも少しでもらしい話が出来るようにと考えながら話を聞いていた。
んーカレンは森で誘拐されそうになっていたことを隠したいってことでいいのかな?さっきからこっちに目線めっちゃ来てるんだけど、これは適当に話し合わせるか。
「して、ソウタ殿ここで貴殿に相談がある」
「「えっ?」」
「この後私の屋敷に来ると言った話をしていたな?」
「はい」
「ああ、屋敷に来ることも泊まることも構いはしない。お客用の空き部屋も沢山あるからね。ここで私から一つ提案がある。 もし本当の事を話してくれるのならば、今日はもう間に合わないな、うむ明日の夕食に最高級の物を用意させよう。それにこの街にいる間なら屋敷を使ってもらって構わないぞ? なに、今回の問題は次第によって本当に危なかったからな、それくらいはさせてくれ。さあ、どうするかね?」
正直に話せば異世界の最高級ディナーと一時的とはいえ住む場所まで提供してくれると、けど話せばカレンさんとの関係はゼロになってしまうだろう。
こんなの決まっている…………
「カレンさん」
「ソウタ様」
カレンさんのいる方向にそっと微笑む。そして察してくれてのか先程までの焦りがなくなりホッとしているように見える。
「カレンさんは北の森で攫われそうになっているところを僕が助けました」
「ソウタ様!?」
えっ?
だってご飯大事だしね?
「ソウタ様………」
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