第2話運命が変わる?
「自己紹介がまだだったの、ワシは
クレイ・ドア・マーリンと言う、まっ 、好きなように呼んでくれ」
口を三日月の様にして笑った爺さんは
俺の目をしっかりと見ていた
「、、、、、」
特に思うこともない俺はただ爺さんの目を見ていた
「ホ、ホ、ホ、いい目をしておる
お前さんの名前を聞いても良いか?」
答える必要もないが
地下牢で名前を聞いてきた奴は初めてだった
「、、、イード」
そう言うと爺さんはまた少し遠い目をした、
だか直ぐに元の調子に戻り
「おおー、イードかいい名じゃな」
そう言うとまた口を三日月にして大きく笑った
「茶番はいい何の用だ?実験か?それとも最近始めた、内臓の売買か?」
茶番、そうだ、この爺さんが俺に話しかけたのも何か俺に用があるからだ
「、、、」
そう言うと爺さんは暗い顔をして何も言わなくなった
「そうじゃの、用はあったのだのじゃが
今日はもう帰ろうかの」
帰る?帰るだと?何もせずに?
そんな訳がない研究者の奴らなら用がない限りここには近づくことすらない。
俺がここに来て最初の頃は飯を持ってきたり
俺の排出物を掃除したりしに来ていたが
俺が飢えで死んでもまた生き返る事を
知ってからは飯すら持ってこなくなった。
俺も最初は飢えが苦しすぎて自分から出た
排出物を食べたこともあった
だが時期に排出物すら出でこなくなり
時期に飢えにも慣れた。
そのため研究者たちや貴族どもが来るときは
必ず用がある時にしかこないのだ
「嘘をつけ、ここに用がないのなら誰も来ない、早く用件を済ませてくれそして二度と来ないでくれ」
そう、少し優しく接してくれたくらいで誰かを信頼することなんてできる訳がない
「、、、そうじゃな、なら少しこの老いぼれの話を聞いてもらっても良いか?」
話?新しい実験か?まぁいい俺はただそれを過ぎるのを待つだけだ
「これはワシが若かりし頃、ワシはモテたからの〜毎日おなごと遊んでは〜〜〜」
「ん?ちょっと待て」
「なんじゃ?」
「なんじゃ?じゃねえよ俺は用件を言えって言ったんだ誰が爺さんの武勇伝を聞かせろって言った?」
たく、なんなんだよ、この爺さんは
「ホエ?、ワシは武勇伝を聞かせに来ただけじゃが?」
「はぁ?ふざけるのもいい加減にしろよこのクソジジイ!!」
久々に大声を出した、自分にはまだ感情が無くなっていない事に気が付いた
「まぁまぁ、そう声を荒げるでない
それにお前さんが帰ろうとしたワシに用件を言えと言ったでわないかの?」
くっ、何も言えない
「チッ、早く用件を済ませて帰れ!」
こうなったら、その武勇伝を全部聞いて帰ってもらうしかない
「ホ、ホ、ホ、では続きを話そう
そうじゃのー、、、どこから話したか忘れてしもうた、まっ、よいか、これはワシが若かりし頃〜〜〜〜」
こんな感じで爺さんは次の日もその次の日も
毎日のようにバカみたいな武勇伝を話しに来た
かく言う俺も何も無い地下牢で暇で過ごすより爺さんのあるかもわからない武勇伝を聞いた方がマシだった
そんな毎日を過ごすに連れて俺は爺さんに
信頼に似た何かを感じていた。
不死身ですが? 奥村 真翔 @makoto08521
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