ゴービート!!!

「じゃあ始めます。第1試合。1番マサル君と9番タイチ君」


 二人の男の子が歩み出て、それぞれの工具箱から試合に使うビートルギアを取り出す。マサル君のは青いクワガタのようなメカ、タイチ君のはコバルトグリーンのカブトムシ型のメカ。掌に収まるような小さなメカだった。


 へえ……思ったより小さいんだな。


「挨拶しましょう。お願いします」


「お願いします」

「お願いします」


 私たちは三人でお辞儀をする。


「ではギアを交換して、一回分解し、組み立てて相手に戻してください」


 私はこの行程にはすごく時間が掛かるかと思っていたが、二人はカチカチッと簡単な操作でギアをバラバラにし、あっという間に再度組み立てて、お互いに交換した。


 どうやらビートルギアというものはパートごとにユニット構造になっていて、比較的簡単な操作で分解したり組み立てたりできるものらしい。


「自分のギアの組み上がりを確認して。良ければコマンダーにギアをセットしてください」


 銃のような充電器兼コントローラーに、昆虫型のバトル専用マシンがセットされる。


「レディー、セット」


 二人がギアをパドックの上に置いてスタンバイする。


「3! 2! 1! ゴービート!!!」


 青と緑、二つのマイクロロボットが弾かれたように飛び出した。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る