第4話

 これからどうしよう。

 そんな考えが頭の中を埋め尽くしてた。

 そんな状態で歩いていると後ろから声をかけられた。

「あれ、愛だよね? 久しぶり」

 振り向くとそこには小中高と同じ学校に通っていた浩がそこに立っていた。

「浩君、久しぶりね。高校を卒業して以来だっけ? 元気してた?」

「俺は元気だけど、お前こそどうなんだ? なんだか元気なさそうに歩いてたけど」

「そうかな? そんな事ないと思うんだけどな」

「何に悩んでるか知らないけど。佑輝に言えない事で何か悩んでるなら話くらい聞くよ」

「ありがとう。優しいのね」

「今から時間があるなら、お昼でも一緒に食べて話す気になったら話してくれないか?」

「うん。じゃあ、久しぶりに一緒にご飯食べようか」

 ご飯を食べて少し世間話や昔話をしているうちに、打ち明けてもいいかなと思うようになり今置かれてる状況を説明した。


「そんな事になってたのか。それでこれからどうするんだ?」

 明らかに困った表情をしていたが尋ねてきた。

「自分でもどうしたらいいか分からないよ。でも、私の事よりはいいの。それよりも、佑輝の事が心配なんだよね。だから、なんとかしてあげたいと思うの」

「お前どこまでいいやつなんだよ。あいつにはもったいないな」

 そんな話をしてこの日はお互いの連絡先を交換し別れた。


 その後も何度か会って話してどうすれば彼がうまくやっていけるかを相談しながら計画を立てていった。


 数日後、相談して計画してきた事を実行する日がやってきた。

 これが楽しく食べれる最後の晩餐。そう思うと、ゆっくりとこの時間を楽しむように噛みしめるように過ごした。

 ご飯を食べ終えて食後のお茶を飲んでいた。彼もテレビを見ながらたまに話して寛いでいた。

 話を切り出そう。

「私と別れてください」

 私からの要求に彼は初め混乱をしてたし要求に応えてくれなさそうだった。

 だけど用意した理由を話すと渋々納得してくれた。

 突然こんな無理な要求を受け入れてくれてありがとう。

 泣きそうになりながらも堪えて心の中で感謝をつぶやいた。


 数日後──離婚届を役所に出し終え役所の前。

「幸せになれよとは言わないけど。せめて元気に過せよ」

「うん」

 元気にと言う言葉に後ろめたさを感じ俯きながら答えた。

「あなたも元気でね」

「ああ、じゃあな」

 二人は振り返らずにその場を離れそれぞれの道を歩いて行った。




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