実録、火星刑務所の実体 3
ロボットの監視システムにより、刑務所内でいざこざが起こり、姉ちゃん達はそこへと向う。『どこだってドア』を抜けて、その居住区の一角へと移動した。、
そこにはテーブルと椅子があり、くつろげるようになっているのだが二人の元男性がいがみ合っていた。
「てめぇふざけんなよ」
「おう、やってやらあ、かかってこい」
一人は日本人に見える、もう一人はガタイの良い白人。二人ともかなり興奮をしている。殴りかかる寸前といった状況だ。
「あなた達、また喧嘩をしているの?」
姉ちゃんがあきれた様子で声をかける。すると日本人らしき人物がこう答える。
「あの野郎、俺の事を馬鹿にしやがった」
するとガタイの良い白人も反論する。
「何言ってるんだ、オレの方も侮辱しただろう」
二人はそれぞれ主張しあう。これは話しがいつまでも平行線をたどって、解決しないパターンだ。
これからどうするのかと、僕らが見守っていると、姉ちゃんが動き出す。
「あなたたち、もう勝負で決めるしかなさそう?」
「おう」「そうだな」
二人がそう答えると、姉ちゃんは15cmの鉄製の棒状の物を渡す。
その棒は握りやすそうで、何かのグリップなような物だった。
グリップを渡された二人はスイッチをいれる。するとスターウォーブに出てくるライトセイファーのような光のブレードが出てくる。ただ、その長さは刀というより大型のナイフのようで、刃渡りは20~25cmくらいしかない。
レーザーナイフを構え、二人は対峙する。
刃渡りは短いとはいえ、あんな物が刺さったら死んでしまってもおかしく無い。
まさに一触即発の状況だ。
「さあ、では二人とも、準備は良い?」
姉ちゃんは全く止める気がないらしい。というか、あのレーザーのナイフを渡した張本人は姉ちゃんだった。
一体何を考えているのだろうか? もしかして重犯罪なので死んでしまっても構わないと考えているんじゃ……
「いつでも良いぜ」「おうよ」
「では行くわよ。ところで今回のお題は何?」
日本人風の男性が答える。
「トマトだ、あの野郎、おれの育てたトマトを水っぽいって言いやがった!」
ガタイの良い白人は答える。
「なんだと、俺のトマトをボソボソして粉っぽいと侮辱しただろう!」
二人の言い分を聞き、姉ちゃんが再び仕切る。
「まあ、いいや、では料理バトル開始するわよ。制限時間はいつもの2時間ね。それでは試合開始!!」
開始の号令と共に、二人の囚人はどこかへ走り去っていった。
現場には
緊張の糸がプッツリと切れたしまったようだ。
そして、すこし間をおいて春藤アナウンサーが復活した、そして姉ちゃんに質問を開始した。
「……料理バトルですか? それで決着をつけるんですか?」
「そうよ、どっちが美味しいかで勝敗を決めるの。丁度良いから春藤アナウンサーも審査員やってみない?」
「私がですか?」
「どうせならプロのグルメレポートを見てみたいじゃない」
「はぁ、まあ、良いですけど」
「じゃあ決まりね。さあ戦闘キッチンへと移動しましょう」
そう言ってスタッフ一行は『どこだってドア』をくぐり抜け、移動を開始した。
「火星はどうなっているんだ?」
テレビを見ていたヤン太がつぶやく。
混乱の中、ジミ子がなんとか理解をしようとする。
「ええと、
「まあ、平和的で良いんじゃないの」
ミサキがのんびりと言う。まあ、たしかに平和的だ。
「火星では
キングが真剣な眼差しで言う。するとジミ子も真面目に意見を言う。
「まさか、あそこから料理対決になるとは思わなかったね」
「確かに、まさかな……」
ヤン太が眉間にしわを寄せている。僕はみんなに訴えかける。
「まあ、あそこは姉ちゃんが管理している訳だし、何が起こってもおかしくないよ」
「そうだな」「そうね」「
あまり姉ちゃんの事を理解していない、ヤン太、キング、ジミ子にも、どれだけ
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