第45話 夕飯の材料はコンビニへ?

 私のブログはPVがない。

 インターネットで有名になりたいなんて考えたことがないから当たり前だ。

 それでも、一か月が過ぎ、レシピや写真が増えてだんだん見てくれる人が増えて来たと思う。最初は一けた、それが十の位を越えて二十、三十、すこしだけれど読者もついて来たし、他の人のレシピも参考にするようになった。

 それにしても難しい宿題が出たものだ、コンビニで売っているもので料理を。

 夫は言った、だいたい男の一人暮らしなんて、炊飯器もないし鍋も湯を沸かすものがあるぐらいで、フライパンすらないことも多いから。まず間違いなくオーブンなんかはないと思って?何があるって、電子レンジかな?それなら弁当を温めるのに使うからワンチャン。包丁って……ないない、今リンゴも剥いて売っているの知らない?どうしても材料切りたいんだ、うーん小さな万能ナイフっていうか、ソーセージ切るぐらいのならあるかもな。その夫は最近会社に入って来た若い女の子のことでここのところすいぶん嬉しそうに見える。そんな話を聞いたら、私は若く可愛い女の子に囲まれた夫を想像してただ心が寂しくなるだけだ。もっとも、夫は私にそんなことは言わないけれど。

 あるパートの無い日、私はノートを前に考えても仕方ないと思った。

 さて、コンビニであるものでレシピを考えないと。

 夫のアドバイスによれば、コンビニで男の人は量があってこれ一つで済みそうなバランスのよさそうなものを探している。私にはとてもそんなものがコンビニにあるとは思えないけれど。

 だってあんなお弁当にしたって、お野菜も碌に入っていないのに500円ぐらい取って、サンドイッチだってあれだけでお腹にたまるの?あんなものばかり食べていたらいつか倒れてしまうんじゃ……。

 こういう時夫ではなく原塚さんの顔が浮かんでくるなんて、いけない。私は仮面ライダーのイケメン俳優を見るように原塚さんを見ていたのかしら。……確かに出て来そうだけれど。

 私は顔を掌で軽く叩く、とにかくコンビニの栄養は偏っている。機材の無さも材料の少なさも何とかしよう、新しく買ってくる、というのは無しで。夫は言った。

 それならばなるべくお鍋も包丁も使わないものを、コンビニの材料か……いくつかは参考に買って来たけれど。

 ベビーチーズ、野菜ジュ―ス、サラダは高かったしきっと男の人は買わないだろう。スープもコップにとかすものなら何かに使えるだろうと思って買ってきた。そしてフランスパン、牛乳、色々料理を考えながらコンビニの棚の前を回るのも新鮮だったけれど、そもそもお弁当を買いに行くところなのであまり料理を考えていそうな人はいなかった。さて、どうしようか。

 揚げ物のからあげ、缶詰の魚、少し高いけれど揚げたり煮たりは省略できそう。インスタントのラーメン、あとは何かしら……。何かができそうなものを一通り籠に入れて私はコンビニを出た。

 さて、これでメニューを考えないと。

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