挑戦

 削れ。削れ。削れ――潰せ。潰せ。潰せ――抉れ。抉れ。抉れ――我が肉は不定の所業。我が魂は輪郭の愉悦。されど我こそが真の人類で在り、痛みは殺せても傷は無くせぬ。亡くなる可能性も含まれて、総ての『現実』には敵わないのだ。我が名は化け物。幾等でも屠られる怪物の末路だ。だが、人類とは本当に幸せなものだ。違うな。我が最も幸運なのだろう。人間どもは我を無敵の存在だと認識し、神と称して跪く。莫迦だ。阿呆だ。彼も彼女も可哀想な個体なのだ。例えば旧支配者。想像力が付与した、強烈な『証明』は、地獄や楽園よりも『膨張』した個性で在る。個性だ。我が貌にも不死身の個性が宿り、人間の描いたor書いた姿が積み重ねられ――視よ。遂に三日月は赤色に染まる。聴け。嗤い声はNyahahaと楽しげだ。我こそが神。我こそが邪。ああ。ああ。可笑しい。私は人間の筈。削れ。削れ。削れ――誰かが我がを削り始めた。誰かが我が身を舐り始めた。貴様は人間だ。貴様は私の友人だ。貴様は私の愛情だ。さあ。私の挑戦チャレンジを受けるが好い――と。たまらない。素晴らしい提案だ。我を殺すにはしか在らぬ。黒を揺らせ。巨躯を晒せ。我の名前は……人間なのだ。人類の一個体なのだ。


 此れからは挑戦チャレンジの時代で在る。

 貴様等の『否定』を寄越せ!

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