頭痛持ち

 荒れ狂う地は空の仕業だ。鉛色の綿菓子が、私の脳天に圧し掛かる。此れで文章を――詩作や掌編に集中するなど不可能だ。されど味噌の内部では、掻き混ぜるような欲望がじわりと鞭を揮う。無意識に奔る十の細指が目指したのは、解せぬ世の理不尽で在った。如何なる個体でも人間は『普通』と呼ばれる病を抱え、死に絶えるまで縋り憑く。ああ。私だって『 』の中身に詩我視しがみ尽きたいものだ。適当な己を脱ぎ棄て、異常の悦楽に心身を委ねたいものだ。真逆。私が最も憧れる『 』の証だ。正気よりも狂気。頑強よりも脆弱。負だ。負の面に返る事こそが人間を救う唯一の方法なのだ。だが、れを使うには余りにも傲慢な自らに『枷』を与えた。名を頭重受痛と書く。さあ。私のるべき祝福が、直ぐ傍に佇むと説いた場合『皆』は如何に反応する。狂ったのか。相談に乗るぞ。うくくくくくく――全く。此れも空の仕業だと震えるのか。尾芽出他衣奴等だ。おぅ女照多居屋ツ裸だ。いっひひひひひぃ……貴様等自身が先に真逆へと触れた苦晒くせに。そうだ。既に世界は救われて在る。


 私の頭が上で、足が下に在る『滑稽』が証拠だ。

 視ろ! 貴様等Hziulquoigmunzhahよ。

 異撫通いぶ=真実トゥルーを!

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