最終輪 終わりに向かって……


 あれから月日がたった。



「さて。次の町に行くパフ」


「そうね」



 わたしは色々な町に移り住みながら、魔法少女とかいうアイドルまがいのことをさせられながら、日々生活を送っていた。



「ソラの描いた絵をコンクールに出しておいたパフ」


「何を勝手にやってくれてるのよ」



 わたしは妖精の頭を握りしめるが、材質がぬいぐるみなので痛くもかゆくもないそうだ。


 わたしのことをあの町の人々は誰一人覚えていない。


 未だ残っているのは、大きすぎる傷跡だけだった。


 妖精たちはこの騒ぎをワームの未知なる攻撃として、更なる法案を通していった。ぶっちゃけ、もう世界は妖精に侵略されつつある。



「本当の黒幕ってアンタたちなんじゃないの?」


「ボクと契約して魔法少女になってよ」


「冗談じゃ済まされなくなるわね」



 あのイスカという妖精はわたしの前から姿を消した。


 その代りにわたしに付き添うようになったのがこのパフィーというやつだった。


 パフィー曰く、



『イスカは痴情のもつれから魔女に追われてるパフ』



 とのことだった。


 嘘臭い。



「もう、心傷は大丈夫パフ?」


「大丈夫なわけないでしょう?」



 あの時に失ったものは多かった。


 わたしはほとんど全てを失った。


 でも、得たものはあった。



「過去を振り返ってちゃダメだから。わたしはソラちゃんのように生きて、そして、罪を償ってみせる」



 ただ、心残りがないでもなかった。


 そう。最後にみんなの名前を呼び捨てで呼びたかった。


 だから、わたしはそれを夢にしよう。


 二人が魔女でなくなって、また一緒に失う前の名前で呼び捨て合う、そんな夢を。



「ここが、ソラのお世話する魔法少女の住む町パフ」



 わたしの住んでいた町からそれほど離れていないところにその町があった。



「別にわたしはお世話しないからね。むしろ、お世話されたくらいだわ」


「だらしのなさはOL以上パフ」


「誰が年増だって!?」


「そこまで言ってないパフ」



 この町に何が待っているのか。


 それとも何も待っていないのかわからない。


 けれど、わたしは夢を持って突き進む。





「エロゲだったらここで感動的なイラストが挟まるんだけど!」





 次回予告


「いや、次回予告する必要あんのかよ」


「だって、あらすじとかなかったし」


「あれだよな。よく最終回でオープニングを飛ばされるヤツ」


「ところで分かりにくいから説明すると、今話しているのは、超絶天才美少女のソラちゃんとメスゴリラのコルトだよ!」


「ゴリラじゃねえ!というか、自分で美少女とか。お前、キャラ変わり過ぎだろ」


「だって、二年もしたら人は変わるのよ?特に女の子の成長は早いの――あっ、ごっめーん。魔女は成長しないんだっけ」


「テメェ、嫌な性格になったな」


「でも、本当に魔女が成長しなくてよかったわ」


「どうしてだ」


「だって、ナミの胸があれ以上成長したらどうなってたか」


「確かに。揺れる凶器だな。ただ、一つ聞いていいか?」


「なに?」


「これって、死亡枠なんじゃ……」


「カクヨムのみんな!『死亡業種は――魔法少女で!』のスピンオフを楽しんでくれたかな?」


「おい、文字文字」


「わたしが死んじゃった後の作品なんか読まなくていいから、第2傷からなんて読まなくていいから、こっちを何百回、何千回と読んでね!そして、ソラたんきゃわたんって応援にもレビューにも書いて、一大ブームを巻き起こしてね!目指せ!流行語大賞!」


「今さらで悪いけどよ。これ、最終回なんだろ?次回予告って必要あるのか?」


「では、次回もよろしく!」


「だから最終回だって言ってるだろ!」




『次回、乃木若葉アニメ化しないかな』


 ついでに楠芽吹もよろしく!


 メブが田中美海とか――神!





 The Moon Light In The Stay Night , I wanted to catch you…… fine.


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