2-6.車輌設定(2)
こちらでは、車輌設定の続きをご紹介して参ります。
今回はオフ・ロード型のフロート・ヴィークルを始めとする車種を。
◇
【フロート・ヴィークル(Float Vehicle):オフ・ロード型】:最高速度よりも機動性(加速、曲がる、止まる)と積載能力を重視した設計。また、過酷な気候と地形の中で走ることを前提にした設計思想の造り。よって、走破性ではオン・ロード型に勝る。
○名称:ストライダ(Strider)→野を馳せるもの、馳夫(指輪物語)
・メーカ:ダヴェンポート・ヴィークル(Davenport Vehicle)
・使用者:ロジャー・エドワーズ
・プロフィール:マルチ用途(オフ・ロード含む)のフロート・ヴィークル。
「パワーはあるし荷物は乗るし」でロジャー御用達。
走破性と積載能力を両立させた上で、快適性もある程度確保した上級車。
とはいえプレミアム・カーほどの値段ではないため、人気は高い。
転じて、出荷台数(=市場の広さ)を利用したカスタム・パーツの需給も多い。
よって、ハイ・パフォーマンス車のベースとしてはカスタマイズ性と入手性に優れた車種でもある。質量約2.5トン。
○名称:サヴァンナ(Savanna)
・メーカ:グレン重工業(Glenn Heavy Industry)
・プロフィール:色々手がけるグレン重工業の商品ライン・アップの一部。その名が表す通りオフ・ロード型。
軍用のヴァリエーションとして連絡車輌にも使われている。
質実剛健の造りにはファンも多い。車重約3トン。
○名称:ガルム(Garm、北欧神話)
・メーカ:ソール・インダストリィ(Thor Industry)
・プロフィール:市販モデルだが、荒っぽい使い方を想定した造り。大ぶりな車格に似合わずよく走る。
大型ラリィ・カーのベースとしてよく使われる。
シャシィが大きく頑丈で、大型・大出力のフロート・エンジンが搭載可能なのがその理由。車重約3.5トン。
○名称:カニス(Canis、ラテン語:猟犬)
・メーカ:ウェントゥス・コーポレーション(ventus、ラテン語:風)
・プロフィール:小型のセダン型だが、ほぼラリィ・スポーツのベースとして開発された型。
ラリィ・スポーツ界の巨頭の一車種。
フロート・エンジン搭載の自由度は非常に高く、組み合わせによっては小柄ながら最大2.0Gの加速力を叩き出す。
重量約1.5トン。
○名称:ライラプス(Lailaps、ギリシア神話:必殺の猟犬)
・メーカ:アキレウス・インダストリィ(Achilleus Industry)
・プロフィール:小型のセダン型だが、その実はラリィ・スポーツ仕様を本領とする市販車。
ラリィ・スポーツ界の巨頭の一車種。
その小柄に似合わず、大出力のフロート・エンジンをあてがわれてもねじ伏せる車体剛性を持つ。
見た目に似合わず高価なのが玉に瑕。
エンジンによっては、加速力だけならば最大2.1Gとカニスを超える。車重約1.7トン。
【フロート・トレーラ】
○名称:アルビオン(Albion、ギリシア神話)
・メーカ:アキレウス・インダストリィ(Achilleus Industry)
・使用者:ジャック・マーフィ
・プロフィール:植民惑星において道の未整備な地域で活躍するトレーラ。現在も世代を重ね生産中。
フロート・エンジンを搭載し、路面状況によらず高速走行が可能。
ただしフロート・エンジンの弱点で、積載重量には限りがある(約10トン)。
普及車種ゆえ、中古品は比較的リーズナブルに手に入る。
○名称:ノトス(Notos、ギリシア神話):〝南風〟の意味
・メーカ:グレン重工業(Glenn Heavy Industry)
・プロフィール:アルビオンと肩を並べる普及車種。
道路の整備され切っていない田舎で活躍。積載能力約10トン。
【コミュータ(舗装路専用の電気自動車:主にレンタル車やタクシー)】:価格や維持費といった経済合理性を追求すると、普段乗り、街乗り的な用途としてコミュータ(車輪駆動車)は絶対的優位を誇る。日常の足としては欠かせない存在。
○名称:セィパァ(Sapor、ラテン語:香り)
・メーカ:ウェントゥス・コーポレーション(ventus、ラテン語:風)
・プロフィール:セダン型。乗り心地重視で、タクシーの採用例が多い。
○名称:マルティテュード(Multitude、英語:庶民)
・メーカ:グレン重工業(Glenn Heavy Industry)
・プロフィール:小型トラック型。コスト・パフォーマンスに優れる普及車種。
配送業者〝ウォーレン・デリヴァリィ〟の主力車種のベース(こちらはコスト低減のアレンジ版)としても知られる。
○名称:カバッルス(Caballus、ラテン語:馬)
・メーカ:ウェントゥス・コーポレーション(ventus、ラテン語:風)
・プロフィール:積載能力に優れる大型バン。
フロート・エンジンは燃費が悪いため、経済性ではコミュータの方が絶対的な優位を誇る。
○名称:チーター(Cheetah)
・メーカ:ダヴェンポート・ヴィークル(Davenport Vehicle)
・プロフィール:スタイリングを追求した四輪セダン。
それほど高価でもないが、敢えて四輪であることを活かしたそのスタイリングを選ぶファンもいる。
フロート・エンジンは価格や維持費の経済効率性で劣る分、尖った趣味か走破性重視で用いられることが多いため、こういった四輪車は未だに重宝される。
○名称:チーター・シューティング・ブレイク(Cheetah Shooting Break)
・メーカ:ダヴェンポート・ヴィークル(Davenport Vehicle)
・プロフィール:チーターのステーション・ワゴン型。スタイリングと積載能力の両立を狙った型。
フロート・エンジンは価格や維持費の経済効率性で劣る分、尖った趣味か走破性重視で用いられることが多いため、こういった四輪車は未だに重宝される。
○名称:ダヴェンポート・リムジン(Davenport Limousine)
・メーカ:ダヴェンポート・ヴィークル(Davenport Vehicle)
・使用者:アントーニオ・バレージ
・プロフィール:クラシックなストレッチ・リムジン。
古式ゆかしい雰囲気が好まれて、ダヴェンポート・ヴィークル社は敢えて車輪駆動式のリムジンをライン・アップに残している。ただし8輪式。
これは乗り心地に留まらず、いかなる状況下においても(たとえパンクしようとも)走り抜くという、対テロ思想の産物でもある。
当然のように防弾仕様もライン・アップされている。
バレージの乗る一台も防弾・防爆仕様。
【重量級トレーラ】
○名称:ヘラクレス(Hercules、ギリシア神話)
・メーカ:アキレウス・インダストリィ(Achilleus Industry)
・プロフィール:社会基盤としての道路網が完備されてきた段階で活躍する重量級トレーラ。
フロート・エンジンの弱点である積載能力を、多輪装備で乗り越える。最大積載能力は30トン。
悪路には弱いが、鉄道網の普及を待たずに大量輸送に入るための存在。
◇
分析力の優れた技術者はネジ一本からでも機体の性能を特定すると申しますが。
そういう説得力を重視し始めますと、設定がまあ増える増える。
設定を起こした車種だけでも2回分の分量となりました。
お楽しみいただければ幸いです。
本作品に関わってくださった全ての方へ、感謝を込めて。
それでは引き続き、よろしくお願いいたします。
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