一日目・4
は?ミコトと?セッ⁉
「何言ってんだ‼」
「簡潔で分かりやすい目的だと思ったのですが?」
「なら、『告白を成功させる』だけでいいだろ?」
「告白の結果は時に曖昧です。気の迷いや、その場の空気に流されてOKしても、後で取り消されることもあります」
「そんなこと...」
「例えば、フラッシュモブなどの派手な演出で告白し、結ばれたカップルが、その後も良好な関係が続いたと思いますか?」
「それは...」
確かに、テレビで大掛かりな告白をするカップルを見るたび、「この状況で断る方無理だろ」と思うが。
「告白の結果よりも、確実に好意を確認できる方法、それがセッ○スです。性交です」
「いやそれは跳躍しすぎだろ!」
「ですが、人は対価を貰いでもしない限り、好きでもない人と事に及ぼうとは思わないでしょう」
「いや、それはそうかもだけど...そもそも、なんで告白したその日なんだよ」
「告白した日を逃せば、後はタイミングが分からずにだらだらと引き延ばす毎日です」
「別にそれでも...」
「いつまでも微妙なカップルに付き合いきれません」
「言ったなお前!」
「なので、あなたには、告白に良い返事を貰ったのち、すぐさまホテルか自分の部屋に連れ込んで貰います」
「いや別にすぐじゃなくても、夜を待ってからでも」
「何を言ってるんですか。早いに越したことはありません。もし時間があまるようなら、何回戦でも繰り返せばいいんです」
「さも当然みたいに言うな!お前は知らないかも知れないけどな、男には限界があるんだよ」
多分女にもあると思うが。
俺たちは何の話をしている?
「大丈夫です」
そう言うと、アキは俺にぐいぐい寄ってきて、壁際まで追い付いてきた俺の体に手を這わせる。
俺が若干のくすぐったさとそれ以外のアレコレを感じていると、アキの手が下方に伸び。
「これくらいで反応し始めるくらいですから、しばらくは持つのでは?」
「うるせぇ!」
アキをひっぺがした後、ふと、アキから女子特有の甘い香りがしなかったことを疑問に思う。
「それでは、さっそく始めようと思いますが」
「え、何を?」
「タイムリープです。と言っても、あなたはやり方が分からないでしょうから、私がアシストします。目を閉じてください」
俺が言われた通りにすると、アキは俺の顔を両手で挟み、熱を計るかのように額と額を合わせた。
その瞬間、俺の脳みそがぐらつき、意識が途切れた。
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