群青とサイダー
椎名 るた
第1話
茹だるようなこんな暑い日に学校に来させるなんて馬鹿か。
そう言いたいのをぐ、と心の奥に押しとどめて恨みを込めた目で睨め付けた黒板には"補習"と白いチョークで堂々と書かれていた。
癖のあるその字は紛れもなく僕の担任のものであり、生徒である僕が本来なら家の布団で眠っている筈なのにここに座っているということはつまり、そういう事なのである。
「そのプリント終わらせれば帰してやるから。」面倒くさそうにひらひらと手を振る担任の舐め腐った態度に立ち上がり、眼鏡を叩き割る___想像をしている事なんておくびにも出さず素直に頷いた僕はシャープペンシルを手に取り掛かる。カリカリと紙と芯が擦れる音だけが響く教室は、虚無感以外の何者でも無かった
群青とサイダー 椎名 るた @regret_
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