平凡日記
こたつみかん
第1話 平凡的日記開始
ちょうど0時を時計の短針が指し示した頃だった。……あぁ、どうもすみませぬ。日頃から嘘が癖になっているせいか、物語の出だしから嘘をついてしまいました。
僕の家にある時計はデジタル時計だから、時計の短針なんてついていやしないのに。どうも気を抜いて口を開くと、ノロウィルスに感染したときのゲロみたいにひょっこりと嘘が出てくるのだよね。ノロウィルスにかかったことないから、ひょっこりでてくるか知らないけども。
ともかく今回は日記なのだし、出来るだけ嘘は書きたくないし、冒頭を仕切り直しといかせてもらいます。日記で嘘をついても仕方ないしね。だって思ったことを思ったように書き、見たものを見たように書くのが日記だろう?それだというのに、少しでも何かいい感じの表現にしようなんて根性はね、日記書きとして間違っているよ。
日記書きとは真実を書くべきなんだ、なんて風に憤ってみるも、正直今日から日記を書き始めるわけだから、日記に対する思い入れなんてものは当然ないし、この憤りも嘘だった。全く救いようがないね。救いようがないとも本当は思っていないけども。
さて、本当のところ、もういい加減冒頭の話とかどうでもいいし、デジタル時計かアナログ時計かなんて誰も気にしてないだろうけど、けじめとしてもう一度仕切り直させていただきます。
時刻は0時ちょっとすぎくらいだったと思う。なんだか僕は無性に文章が書きたくなったんだよね。理由は特にはっきりとはしないけど、なんかそういう日ってあるじゃない?
普段は通らない道を通って学校へ行ったり、いつもは蕎麦しか頼まないのに急に富士そばでうどんを頼んだり、そういう気まぐれが僕に突然やってきたわけだ。
でも所詮気まぐれに過ぎないから、文章を書くにしたって壮大な物語は頭の中に用意されてないし、気の利いた雑学のようなことを投稿する頭脳もない。
なんたって僕は平凡なのだから。
そこで僕が選んだのは日記という形だ。日記なら小学一年生にだってかけるし、平凡な僕でもなんとかやっていけるだろうと思って今回は日記という形を選んだ。もっとも平凡極まりない僕の生活を描写したって、特に何もイベントが起こらないから、読んでいてつまらないものになるかもしれないけど、文章を書きたい欲を発散するのが目的だからそこは気にしないことにした。
というのは嘘だ。僕は人一倍ひと目を気にする人間だし、こんな所に投稿するからには出来れば面白いものにしたいと思っているはずだ。本当に気にしないのであれば、誰にも見せず、それこそ紙の日記帳にでも書くはずだから。
とまぁ、冒頭から嘘にまみれていて、先が思いやられるけれども、これより欲が満たされるまでしばらく日記というものを書こうと思う。ちなみにこれは本当のことなのだが、風呂を上がって服を着ずに、エアコンがガンガンきいた部屋でこの文章を書いていたので、少し震えてきたよ。
身も心も裸で震えながら書いていくこの平凡な日記をどうかどうか温かい目でお守りしてくれると嬉しいのだなぁ。
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