9.その時のこと

学校乱入を経験し、銃声が響くという非日常が起きた翌日、俺は驚いた・・・屋内プールの尋常じゃない人気に!蒲原さん、神田のクラスとかぶっただけでなく、他ひとクラス被っていて、結局貸切りにするそう。ちょっと迷惑じゃないかと思いもしたが、ハイシーズンじゃないんだから良しとしてほしい。


「それにしてもすごかったなー、八重川さん。」

「なんだよ、唐突に。」

ああ、そう。今リビングで肩肘ついてるやっさん、昨日派手に銃を放ったわけだが、実は学院出るのが他より遅くなったのは、銃所持の特別免許を得るためだったらしい。遠距離では視力矯正なしだから、訓練した彼にとっては向かうところ敵なし、と。

しかし、西條くんを狙って来た奴らはともかく、他二回は完全に巻き込んでしまった。今日はそのお詫びも兼ねて新メニュー、ザッハトルテだ。

「なんかレベルアップしてないか?」

「八重川さん来るまでになんとかしようと思って。まだいくつか作れるようになったのありますから。」

そうやって幸せそうな顔してくれるから、作りたくなるんだよな。あ、ひょっとしてこの不整脈は血糖値の乱高下が原因か?味見がてら甘いものいっぱい食べ過ぎたかな。

「浪速、ありがとう。」

「ど、どういたしまして。」

やばい。高血圧糖尿病の文字が・・・どうしよう、やっぱり早々に病院へ行くべきだったか。

「バカにつける薬はないっていいますけど、鈍感に付ける薬はあるんですかね。」

「ないな。」

深琴くんたちも来たところで、 夕食にするとしようか。

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