第02回 Black Blood Brothers
第2回は、Black Blood Brothers。『東京レイヴンズ』シリーズでお馴染みの、あざの耕平先生です。
かつて『香港聖戦』と呼ばれる事件により、吸血鬼という存在が明るみに出た架空の現代世界。それから10年後、日本の経済特区と呼ばれる場所が生まれます。そこは、吸血鬼と人間が共存する、まさに「特区」でした。
そこに、一組の吸血鬼の兄弟が来訪します。兄の名は望月ジロー。『香港聖戦』において、『九龍の血統』(クーロン・チャイルド)と呼ばれる吸血鬼を相手に戦い、『銀刀』の異名で全世界の吸血鬼に名を知られた男です。弟の名は、望月コタロウ。能天気で子どもっぽくて、けれど愛らしい少年。兄弟なのに、二人はちっとも似ていません。
二人を特区に案内するのは、葛城ミミコ。彼女は、調停員と呼ばれる「吸血鬼と人間の共存」のために働く人間の少女です。いろいろとイザコザを経て、望月兄弟はミミコの護衛者(用心棒ですね)として働くことになります。
本作の魅力は数多くありますが、なんといっても戦闘シーンでしょう! 特に第7巻の戦闘描写の凄まじい迫力には、思わず息を呑みながらページをめくってしまいます。
敵キャラ達も、サブキャラ達も、魅力的なやつらばかりです。特に、敵の中心人物である『黒蛇』の異名を持つカーサ。彼女とジローの因縁と、そこに秘められる屈折した感情。彼女を主人公にして、敵キャラ達を主人公サイドにしてもいい! と思うくらい魅力たっぷりです。あと、『緋眼』の異名を持つゼルマン。彼は白河の中で一番のお気に入り。
あ、主人公のジローだってもちろん素敵なキャラですよ?(笑)彼の生き様と、ミミコの成長が絡み合って物語は進められていきます。特にミミコの成長は、物語全体に大きな影響を及ぼすことになります。吸血鬼と人間の共存とは何ぞや?という問いに真正面から向き合った作品です。
白河としては、あざの先生の代表作なのではないか、と思うのです。アニメ化もしましたし(いや、でも原作の4巻までしかアニメ化してないんですよね。続きをぷりーず)。バトルもの、吸血鬼もののラノベが読みたい、という方。この作品をぜひお読み下さい。
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