第12話役員決めです!

 テストが終わった次の日、今日はクラスの委員を決める日です。


 朝、自分が起きたら、お父さんを起こしに行って、朝ご飯を食べて、昨日のうちに終わらせておいた学校の準備の点検をして、それからお母さんやお父さんと話しながら時間をつぶします。

その後、お父さんが出勤する時間になったのでお母さんと二人で見送った後、自分も登校する時間になり、学校へ向かいます。


これが笹森家の朝の日常です。


 学校に着いて、朝の学活まで本を読んで時間をつぶします。


 読む本は、咲良ちゃんと友達になるきっかけになった『夜、朝霧家にて』です。

 やっぱり、この本は面白いな。と思いつつ、どんどん本の世界に没頭していきます。


 話がいいところで松村先生が教室に入ってきてしまい、残念な気持ちと少し苛立ちに似た何かが心の中を占めます。


 今、いいところだったのに!


 本を読む人ならみんなが分かってくれるこの気持ち。本を読まないと解消されないこの感情はなんて名前をつけたら良いのでしょうか。


 悶々とした気分を抱えていると、いつの間にか学活も終わり、今日は初めて普通に勉強の授業が始まりました。


 一時間目は数学です。

授業が始まったと言っても、オリエンテーション的な側面が強く、あまり難しい内容は習いませんでした。次回からは少し難しくなるようですが、この様子だと次回も大丈夫そうです。


 二時間目の社会も、三時間目の国語も、そして四時間目の理科も授業というより、中学校ではどのような内容の授業をするのかを教えてくれる、オリエンテーションの内容が強く、授業は特段難しくはありませんでした。


 給食も終わり、昼休み中にはずっと本を読んでいました。


 昼休みどころか、授業と授業の五分休み中でも本を読んでいたぐらいです。


 昼休みも終わり、五時間目はクラスの役員決めです。


 松村先生が言うには、委員長、副委員長、書記に始まり、保険委員、生活委員、学習委員など、多岐にわたる役員があります。一人一つの役員にならないといけないみたいです。


 この中だったら、図書委員がいいな。


 そんなことを思いつつ、順番に挙手性で役員を決めていくようで、まず始めに、委員長から決めていくようです。


 すると、山田君が席を立ったかと思うと、「私がその役目を果たそう。この私、悠久なる闇(エターナルファントム)がこそが相応しい。」と高笑いしながら手を挙げました。


 先生を含む、誰もが唖然としており、誰も手を挙げていなかったこともあってそのまま山田君は委員長に、そして私は図書委員になれました。咲良ちゃんは保健委員になっていたのを見ていました。


 こうして役員決めも終わって、今日の学校生活は終わりました。

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