第2話俺と異世界の現状


ありえない、そうは思うが考えれば考える程それ以外の可能性が薄くなっていく。これはもう受け入れるべきかもしれない。もとから、自殺してここに来たのだ、元の世界に未練はない。

だが、ここで新しい生活をして、生きる意味さえ感じないあの世界となにかが変わるのか?また同じことの繰り返しになるかもしれない。それじゃあ生きている意味なんてない・・・・・・だけど・・・だけど・・・せっかくの二回目だ、少しくらいは信じても、期待してもいいんじゃないか?

「お主、何を考え込んでいるか知らんが、今はお主が異世界から来たという可能性が一番高いという事でいいんじゃな?」

「・・・・・・はい」

そうだ、少しくらいは期待したってきっと罰は当たらない。もし、それでもだめなら今度こそ死ねばいい。

「わかった、では少しばかりの時間じゃがお主にこの世界についての説明をしてやろう」

「お願いします」


それからしばらくの間質疑応答が続き、少女は仕事があるとのことで行ってしまったので、秋人は気を利かせて用意してくれた宿に戻りがてら情報を整理することにした。

まず、少女はテイラと言い見たと通り獣人だった。獣人以外にもこの世界には、エルフやウルフ,アマゾネスなどたくさんの亜人種がいるという。

次に、ここがセントラル王国という国で、周りにはこの国を中心とした四つの国が存在しているという事。

 それぞれ、円の形をしたこの国を囲み、すべてが合わさり正方形のような形になっていると言う。そして、セントラル王国を除くそれぞれの国には春夏秋冬の一つだけかが存在し、右上から時計回りに、スリング,サルマ,フロル,ウルター、となっており、セントラルを含むこの五カ国は敵対関係にあるという事。

 そして、冒険者という職業とそれの発足について。

 まず、冒険者はギルドから発行されたクエストをこなしたり、自然に湧いているモンスターを倒すことで報酬を受け取ったり、戦利品を交換したりすることで生活をしている人達である。

 そして、冒険者ができた理由として、自然に湧くモンスターが人々に被害をもたらさないようにというのも一つだが、一番の理由は、各国に一体生息するという神獣が大きく関わっているという。

 神獣はとても強力で、なおかつ縄張り意識が強いという。そのため戦争時には各国の強力な後ろ盾となっているらしい。もちろん、国を侵略するには当然その神獣を倒さなければならないわけだが、時に領地を出て攻め入って来ることがあるため、その時の防衛として戦闘ができる人々が必要になった。

この二つの理由から、戦うことそのものを職業とする冒険者がギルドと共に発足したいう。

 最後にステータスと魔法というものが存在すること。

 俺としてはゲームでお馴染なので、ほとんどの説明はいらなかったが、まず、Lvがあり、細かい数値はないが上がれば上がるほど基礎能力が高くなったり、新たなスキルやアビリティーが得られる可能性がある。

次にアビリティーはステータスを得た時点から必ず一つ存在し、ものによっては色々な職業に役立つため、これを理由にほとんどの人がステータスを持っているという。アビリティーはLvが高くなれば新しく得られることもある。

そして、スキルは最初からあるわけではなくLVが上がると人によっては得られることがあり、とても強力な技を発動できる。Lvに関してはモンスターを倒すだけでなく、鍛冶などの職業で鍛えることであげることもできる。

 最後に、魔法はそれぞれの持っている魔力量に左右され、使えるのは冒険者の中でも少ないが、とても強力なものが多い。

「こんな所か、そろそろ宿にも着くし今日は色々あったからとりあえず寝よう」

改めて今日一日であったことを振り返ると、ものすごい疲れに襲われたので、秋人は、帰ったらベットにダイブしようと決めた。

そういえば、ここまでの道のりで気がついたが、町並みは中世ヨーロッパ風でとても異世界のそれを感じさせるものがあった。テイラと話している間に大分時間がたっていたようで、もう日はすっかり落ちているが町はとても活気にあふれていて、とても明るい雰囲気印象を与えてくれて、これからの生活が楽しみになる。

「うん、新しい人生は楽しめそうだ」

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