3.秘宝を求めて
アダムスカヤ街道
「ねえ、心躍る大冒険は?」
馬上、腰につかまるシャルロットが不平を言った。
アデルバートが呆れて答える。
「まだ、陣地を出て二時間だよ? そんな簡単に冒険が舞い込むわけないじゃないか」
「でも、さっきから二時間、ずっと同じ景色よ」
バルティーもぶるるっと不満げに首を振った。急に二人分も乗せることになったのが面白くないようだ。
チョブルイ川陣地からアダムスカヤ街道を北に二時間。雑草荒野のつまらない景色は二人をすっかり退屈させてしまった。
「つまんない!」
シャルロットが絶えかねて声をあげた。
エルボニンの荒野は本当に何もないのだ。小鳥のさえずり、宿場の賑わい、すれ違う旅人との交流。故郷を離れたものの空しさを癒してくれるような旅の醍醐味は皆無、見えるものは小さな丘とまばらな木立、白い雲のみ。風雨に晒された一里塚以外に人の生活を感じさせるものは何一つ見当たらなかった。
「つまんない!」
アデルバートは無視した。退屈なのはアデルバートも同じなのだ。
シャルロットは拳を小さく結ぶと、アデルバートの脇腹にぐりぐりめり込ませた。
「つまんない! つまんない! つまんなぁーい!」
「ああ~、もう!」アデルバートがたまらず声をあげた。「さっきからつまんないの一点張りじゃないか! 僕らは物見遊山に行くんじゃないんだ! 王国軍の任務で秘宝を探してる。もっと、この任務の重要性について自覚を持ってほしいな!」
「なによ、大人ぶって。つまんないものはつまんないんだから、しょうがないでしょ!」
「今度つまんないって言ったら、陣地に送り返す!」
「あっ、約束が違うじゃない! 約束は敵兵を見かけたらのはずよ。あんた、男なら自分で言ったことくらいちゃんと守りなさいよ!」
シャルロットはまた脇腹に手をぐいぐい押し込んだ。
「いたたっ! それ、やめてよ。なんだい、もう! 僕の脇腹をいくらつついても冒険なんて出てきやしないよ! だいたい、ハラハラドキドキなんてずっとやってこないかもしれないんだから。ただ、こうやって何にもない平原をとぼとぼ歩いて、いつの間にか秘宝に辿り着いて、それでおしまい。僕はそれでもいいんだ。僕の任務は秘宝を発見することだからね。もし、そこの道端に秘宝が転がっていれば、それで任務は完了。そういうこともあり得るんだから、この際、つまらない景色で諦めて、口をぴっちり閉じているんだね。僕だって言うときは言うんだし、怒るときは怒るんだよ」
アデルバートの夢もヘチマもない反駁にシャルロットは頬を膨らませて黙り込んだ。
「……………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………」
今度は沈黙が怖くなる。威勢のいいことを言っては見たが、元々女性に関してかなり小心なアデルバートである。
「ねえ、王家の秘宝ってどんなのかな?」
彼はシャルロットの機嫌をなおすために自分から話を振り出した。初めて地面から顔を出したモグラだってもう少し威勢が良い。そのくらい自信のないけなげな話し方だったが、話題は悪くなかった。秘宝の正体なら冒険好きの少女が間違いなく飛びつく話題だ。これでちょっとは機嫌を直してくれるだろう。
「知らない」
アデルバートの期待はそっけない返事によって木っ端微塵に粉砕された。
言葉のサーベルでグサリと胸を貫かれたまま、アデルバートはなんとか会話を続けようとする。
「え、え~と……王様が欲しがるほどのものだから、きっと大きな宝石に違いないよ」
「………………」
「そ、それとも純金の王冠かな? おとぎ話じゃとにかく凄い宝物らしいけど」
「………………」
「ねえ、なんでさっきから黙ってるの?」
「別に。何でもない」
「そんなことあるもんか。さっきまであんなに騒がしかったのに。もしかして怒ってる?」
「ねえ、アデルバート」
「なに?」
肩越しに振り返り、シャルロットを見る。
「宝物は人を幸せに出来ると思う?」
冒険に憧れてついてきた女の子が普通こんな冷めた質問をするだろうか? 宝物に話題が移るとシャルロットは少し元気がない。
風変わりな女の子だなあ。
アデルバートの背後で吐息混じりの言葉が続く。
「アデルバートは宝物を見つけたら、どうするの?」
「もちろん、女王陛下にお届けするよ。それが僕の任務だからね」
アデルバートは誇らしげに胸をポンと打った。胸の肋骨飾りが揺れている。
「でも、宝物が運びきれないほど大きいものだったら?」
「一度、本隊に帰還して応援を呼ぶよ。大丈夫。王様の宝物庫は噂によるとかなりの広さだからね。どんなに大きな財宝でもちゃんと運び込めるよ」
「もし、宝物が生きていたら?」
「宝物が生きてる?」
アデルバートはぷっと吹き出すと、明るく笑った。
「君って本当に面白いね。なるほど。確かに珍しい生き物かも知れない。とてもかわいいもこもこした新種の生き物とか伝説のユニコーンとか。まあ、宝物の心配は見つけてからでも間に合うさ」
「宝物を見つけたら、アデルバートは宮殿の宝物庫に閉じ込めるつもりなのね……」
アデルバートは首をかしげた。まるで宝物がかわいそうとでも言いたげの喋り口調だ。
「君ってロマンチックなんだね」
「ロマンチック?」シャルロットが首をかしげた。「それ、どういう意味?」
「ロマンチックはロマンチックさ。メルヘンでもいいよ」
「意味は知ってるわ。つまり、私が言いたいのは……」
そのとき、アデルバートがシッと指を立てた。
青空を漂う白い雲が何もない平野に影を落としている。
突風に生い茂る雑草が波打ち、西の木立を躍らせる。
何もない荒野である。起伏に富んだ丘を街道が蛇行して走っていて人影一つ確認はできないが……
「いま、敵の騎兵がいた」
アデルバートの首筋を冷や汗が伝い落ちる。
シャルロットが慌てて見回すが、騎兵どころかキツネ一匹見当たらない。
「ど、どこ? どこにいるの?」
アデルバートは右斜め後ろの谷を顎でしゃくった。
「あの窪地の道に潜んでる。後ろに回られた」
「うそ……」
「あまり見ないで。まだ気づいてないと思わせたほうがいい」
シャルロットは言われたとおり目を前に戻し、不安げに体を強張らせた。アデルバートの腰をつかむ力が自然と強くなる。
「私のこと……陣地に送り返すの?」
アデルバートは首を振った。
「もう手遅れだよ。あの位置に潜まれたら引き返せない」
「よかった!」
シャルロットは黄色い声をあげて喜んだ。
アデルバートが呆れ返る。
「全然よくないよ! 僕ら帝国の騎兵に見張られてるんだよ」
「でも、あなた軍人なんでしょ?」
「もちろん僕は王国の軍人さ。でも、相手が多すぎる」
鞍の左にはアダムス・リボルバー。ベルトには細身の剣が下がっている。
だが、何より背中にいる少女が戦う理由だ。誰かに頼られることがこの士官候補生に勇気を与える。
「もしかして降伏するの?」
「まさか!」
「じゃあ……」
「僕の腰にしっかりつかまって。少しとばすから」
アデルバートが手綱を手に巻きつけ、ぎゅっと握り締める。シャルロットは言われたとおり、アデルバートの腰に手を回すと丁度ベルトのバックルの前で手をがっちり組んだ。
「し、締めすぎ……。苦しいよ」
「我慢しなさい。男でしょ」
ふう、とアデルバートが溜息をつく。
だが、目はさりげなく肩越しの視界の確認を忘れない。帝国騎兵たちは街道脇の窪地からゆっくり上がって、今では脇の道から本街道に合流しようとしている。
その数、四騎。
アデルバートは愛馬の腹を力いっぱい蹴った。
バルティーがいなないて、地を割らんばかりに蹴っ飛ばす。
膝で馬の胴を押さえて尻を浮かせ、身を屈めたまま疾駆した。
シャルロットは上下に激しく動く馬の尻に何度も体を浮かしながら振り落とされないようにアデルバートの腰につかまった。
二人の馬は街道を左にそれて、西の低地にある木立目指して一直線にかけた。
帝国の騎兵たちも一斉にギャロップで追いかける。鞍に結びつけた鞭と曲刀、髭もじゃの顔、そして毛皮帽を被ったコサックたちだ。
コサックたちはねずみ花火のような甲高い声で喚き、これまたねずみ花火のように刀をぐるぐる振り回しながら追いすがってくる。
「もっと早く走れないの!」
「これ以上は無理だ! 重すぎる!」
「失礼ね! 私の体重、三十六キロしかないのよ!」
「三十六キロ! それって何ポンドなの?」
コサックの弾丸が二人のすぐ脇をかすめて飛びすぎる。
「言い争ってる場合じゃない!」
アデルバートはキロ・ポンド換算を放り捨て思い切り馬の腹を蹴った。得意の斜面を突っ切って、追っ手との距離を大きくあけようとしたのだ。
ところが進行方向の斜面からもコサックが現れ、カービン銃をぶっ放した。
弾丸が呻りながらすれ違う。今度はかなり近くをかすめた。
シャルロットのリボンが撃ち飛ばされて、金髪が風に躍る。
アデルバートは機敏に方向転換し、木立への道を一直線にかけた。
けたたましい馬蹄とピストルの乱射が幾重にも重なり、二人の背後に迫っている。
突然、鞍が大きく揺れだし、アデルバートはバランスを崩した。右に倒れそうになったシャルロットを掴んで元の位置に戻しつつバランスを保とうとする。
だが、うまくいかなかった。
鞍が激しく左右に揺れてズレ落ちそうになる。鞍を馬に結びつける腹帯が外れたのだ。
「腹帯がとけたんだ!」
「うそ!」
シャルロットは顔を赤らめ、自分の腰に目をやった。
アデルバートが鋭く叫ぶ。
「ちがう、鞍の帯だ! 手綱を頼む!」
「え? え?」
唖然とするシャルロットの手に手綱を握らせるとアデルバートは足を鐙から外して左脚だけ馬の背を跨がせた。
左手を手綱にしっかりかけると騎座に寝そべるようにして上半身を左側に曲げて右手を馬の腹に伸ばした。
そして腹の下で激しく振れ動く腹帯をつかむと再度締め直し鞍を固定しようとしたのだ。
危険が伴うが、不安定な鞍で全速力を出せば、シャルロットもろとも落馬してしまう。激しく震動する騎座の上で体を横にして、腹帯を締めるなど曲芸の域に達しており普通なら落馬は必至だが、バランスに優れるアデルバートの体は鞍に縫い付けられたように動かなかった。
大きな揺れが襲うたびに脚を突っ張り、左肘を曲げ、器用に均衡を保つ。その間も右手は腹帯を掴んでいた。
「は、はやく!」シャルロットが叫んだ。慣れない手綱は跳ね回り、とてもじゃないが制御しきれなかった。
コサックの狙いすました一弾がこうしている間にも襲いかかってくる。
「あと少し……バックルさえつかめれば……」
だが、バックルはシャルロットのスカート近くで生き物のように動き回り、なかなか指が届かない。そもそも女の子のスカートに手を伸ばすなんて破廉恥が躊躇われる。
アデルバートは悲鳴をあげた。
「ダメだ、できないよ! バックルがスカートの中に入っちゃった!」
「こんなときになに恥ずかしがってるのよ、意気地なし!」
馬が小道の真ん中に転がった岩を避けようと首をぐんと巡らす。その勢いで鞍が大きく左にずり下がった。
「わっ!」
合わせてアデルバートの体もずり下がった。シャルロットが肘で押さえてくれなければ、アデルバートは自身の愛馬に頭を踏み砕かれただろう。いまやシャルロットは両手で手綱を握って身をかがめながら、肘でアデルバートの脇腹を強く押さえて、アデルバートの落下を防いでいた。
「お、落ちる!」
「はやくなんとかして!」
アデルバートは意を決して、スカートに手を突っ込んだ。バックル付きの革帯が指に触れる。
「鞍をつかんだまま右に倒れて!」
アデルバートはバックルに革を通しながら、シャルロットに叫んだ。
「倒れたら落ちちゃう!」
「僕を信じて!」
シャルロットは手綱から手を離すと鞍を掴んで右に体重をかけた。鞍が元の位置に戻った瞬間、アデルバートは腹帯を締め、バネのように体を跳ね上がらせて騎座に戻るという早業をやってのけた。
そして、右手を目一杯伸ばす。その手は馬の背から放り出されかけていたシャルロットの肩を掴み、あっという間に鞍に引き戻した。
「これで逃げられる!」
しっかり固定された鞍を頼りに馬を飛ばす。木立はあと少しだった。
アデルバートの覚えでは木立の向こうの小川を越えると急勾配の坂があった。アデルバートはそこを登ってコサックを撒けると思っていた。
木立の向こうで崖が下っていることに気づくまでは……
高さ三メートルの崖を前にして、馬が足を突っ張った。
アデルバートとシャルロットは鞍から放り出され二人絡まりながら、崖下の潅木の中に落ちた。枝と柔らかい砂地、そしてアデルバートがクッションになり、シャルロットの体が川原の空き地に弾んで転がる。
「いたた……」
アデルバートは何とか潅木の間から這い出てきて、辺りを見回した。
シャルロットも無事なようだった。立ち上がりながらスカートの塵を払っている。
アデルバートはよろめきながら、首をふるふる振り、髪から砂を落とした。
「大冒険のご感想は?」
「ま、悪くないわ。ドキドキしちゃった……でも、まだ助かったわけじゃないみたい」
地勢に明るい五騎のコサックは崖の両側に穿ってある下り道から川原に降りて、二人を取り囲んだ。コサックたちは目をギラギラ輝かせて、獲物を凝視している。
アデルバートの不利は覆しようがない。銃は鞍の中にあり、馬も崖の上を頼りなくさまよっていた。
つまり、万事休すだった。
槍を持ったコサックが一騎、前に進んできた。
アデルバートはシャルロットを背に隠すようにして前に進み出ると自分の剣を抜き放った。
砂を被った灰色髭のコサックは槍を腰に引きつけると矛先をアデルバートに向けて突進してきた。
突き出される槍に剣をあわせた。だが、相手は騎馬である。馬の勢いとコサックの屈強な腕の前にアデルバートは細すぎた。衝撃を支えきれず、弾き飛ばされる。
貫かれはしなかったもののアデルバートは砂地に引っくり返ってしまった。
コサックは倒れたアデルバートをそのままにして駆け去り、槍試合の騎士のように態勢を整える。
「アデルバート!」
シャルロットが駆け寄るが、アデルバートは腕を振り払い、自分の肘で体を支えながら立ち上がった。
「大丈夫、脇に避難するんだ」
「でも……」
「さっきも言ったよ。僕を信じて」
そう言いながら剣を構えるも、崖から落ちた衝撃で体の節々が痛み、力が入らない。
他のコサックたちは鞍上であぐらをかき、始まった一騎討ちに帝国語で野次を飛ばしていた。
お調子者らしいコサックが槍で突き刺す真似をすると、槍コサックは髭に隠れた大きな口を開けて大笑いした。
アデルバートはまた相手の正面に立った。
コサックが甲高い喊声を上げながら突進した。
アデルバートは剣を捨てて低く走り込んだ。
コサックの槍がアデルバートの背を狙って突き出される。軍帽が貫かれたが、すんでのところで転がって一撃をかわす。
槍は地面に突き刺さり、コサックがその反動を扱い損ねて、鞍から放り出された。受け身に失敗し全身を強く打つとコサックは気を失って、ぐったり横たわった。
仲間を倒され、他のコサックたちに動揺が走った。みなアデルバートを指差して、帝国語の怒鳴り声をはりあげる。憤怒の形相だった。
アデルバートが剣を拾うと、今度は二人のコサックが曲刀を抜き、頭上で振り回しながら突っ込んだ。
終わりだ。
アデルバートにもそれが分かった。
振り回され勢いを蓄えた一太刀が同時に襲いかかれば、防ぎきれない。
それでも降伏だけはしたくなかった。
(ごめん、ペイトン。降伏するくらいなら僕は……)
アデルバートは突っ込むコサックを睨みながら剣を高く構えた。
「アデルバート!」
シャルロットの悲痛な叫びもコサックの猛進は止められない。
二本の曲刀はアデルバートの首を狙って、左右から閃いた。
その刹那、アデルバートとコサックたちの間に大きな黒い影が割り込み、白刃を振るった。
二本の曲刀が空高く弾き飛ばされ、コサックたちは切られた腕を押さえながら鞍から転がり落ちた。主のいない馬が川沿いの砂利道で左右に走り別れる。
突如、助太刀してくれた騎乗の剣士は太陽を背に立っていたので顔は見えず、輪郭だけしか分からない。しかし、ペイトンでないのは一目瞭然だった。この剣士はもっとほっそりしていた。しかし、弱々しいわけではない。むしろ闘気にみなぎっていた。
「あなたの騎士道。しかと見届けました。微力ながら助太刀させていただきます」
聞き覚えのある上品な声だった。
剣士はマントをはためかせ、残りのコサックに対峙した。
コサックたちも怒声をあげサーベルを突き出して、一度に襲いかかる。馬上で剣と剣が激しくぶつかり合った。
だが、助っ人の剣は冴え渡っていた。突かれれば切り落とし、払われれば防いで逆に打ちかかり、一度に二人のコサックをきりきり舞させる。始めは勇ましかったコサックたちもいつの間にか相手の剣にすっかり圧倒されてしまい、今では攻撃を避けるので精一杯だった。
そして、細身の剣がさっと閃くとコサックたちはたちまち切り伏せられた。ただし、二人とも腕を浅く切られただけで命までは取られていない。
「〈無事なほうの腕で手綱をつかめるうちに退散なさい。次は容赦しませんよ〉」
剣士が帝国語で厳しく言い渡すとコサックたちはすっかり泡を食い、倒れた仲間を鞍に乗せて一目散に逃げ去った。
崖の上で、ホンブルク帽を被った従軍記者が嬉しそうに叫び声をあげた。
「やった! これはコラムにしよう。『男爵フォン・カールノゼ中尉。あらくれコサック五人を一度に退治!』。手に汗握る本物の死闘をご照覧ってもんさ! 早速本社に送らなきゃ」
剣士が切っ先の血を拭いながら言った。
「お止めなさい。私が倒したのは五人ではありません。四人です。一人はこの少年が倒したのです。立派な勇気でしたよ、アデルバート」
テオドールは刀身を自分の肩にそっと置き、アデルバートに微笑した。シャルロットには帽子を取って深々と頭を下げた。
「馬上から失礼します。そちらのお嬢さんは初めてですね。テオドール・オットー・フォン・カールノゼと申します。以後、お見知りおきを」
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