駄菓子屋編

私の好きなお菓子

昨日は本当に散々だった。洗濯をしてただでさえ狭い部屋に部屋干しして、生活スペースがなくなり…。あの人たちも自分の部屋に鍵なんかかけないでよ。どうせ帰ってこないんならかけなくていいじゃん。そろそろ壊しちゃおうかな。

それにしても今日は打って変わって晴天だった。昨日の大雨は嘘のように晴れている。雨の代わりに太陽の光がざんざん降り注いでるけどね。

休みの日だというのに何も予定が入っていない。これぞ私のぼっち生活!いや、まあ二人はいるんだけどね。友達。でもあの二人真面目だからしっかり塾のテストだとか言って私を置いてけぼりにしたんですよ。はい。塾はお金がかかるぞ!「私の生活費は毎日悲鳴を上げているぞ!もっと金送れや!!!バイト代ほぼ食費じゃねえか!」

ひとしきり叫んだところでお腹が空いたので駄菓子屋にでも行こうかと思い、帽子をかぶって外に出た。

この田んぼ道に沿って歩いていくと、こじんまりとした駄菓子屋がある。

「お菓子〜お菓子〜」

「いらっしゃい。今日は何にするの」

いつもの人が声をかけてくれる。今日はどうしようか。昨日はアイス食べたし、今日はさらに暑いからアイスでもいいんだけどなあ。でも朝っぱらからアイス食べたら雨降っちゃったしな。

「今日はガム三つで!」

そう言って、ぶどうと桃とりんご味のガムを買った。

今日は20円で済みそうだ。

なんと、ここの駄菓子屋、2個買うと1個付いてくるのである!!

「はいよ」

そのまま3つ受け取り、私は駄菓子屋を出た。

パクッとガムを1こくちにいれ、膨らましながら家に帰った。

そういえば駄菓子屋は私のもう一つの家みたいなもんだったよな。昔はね。

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