13.一瞬の希望と絶望
そして、最終的に私が手を出したのはネットです。スマホゲームの掲示板でいろんな人と会話をしていました。現実世界とは違って、写真を見られる可能性がなく怯える必要もなかったので、すごく気楽に会話をすることができました。久しぶりのあの感覚は本当に嬉しかったです。人と話すことって、こんなにも楽しいことだったんだ! って。忘れていたことを、思い出すことができたんです。
一人専用の掲示板を作って独り言をいうだけでも、心がだいぶ軽くなるんです。それがストレスの発散にもなっていました。
しかしそれも母に見つかるとものすごく怒られ、すぐに禁止されてしまいました。
「知らない人とは会話しないで」
知ってる人とはもうまともな会話なんてできなかったのに。誰もいなかったのに。
私の唯一のストレスの発散方法も、唯一の楽しみさえも母によって一瞬で奪われてしまったのです。どこかに1つでも居場所があるだけで心が救われる、ということを、私の母は理解してくれませんでした。
信用できる人がいない私に、他のはけ口なんてあるはずがありません。それ以降はストレスも疲労も、溜まっていく一方でした。家で泣いたりでもすれば事情を聞かれてまた怒られる。学校で泣けば嘲笑われる。心はもうボロボロで、いつだって泣いているのに、本物の涙を流すことなんてできない。自分の思いを、苦しみを、悲しみを、外に吐き出すことができない。もう。どうすることもできなくなってしまったんです。
でも、もうここまで来ると少し認識が変わってきたりするんですよね。もう全部私が悪いんじゃないかって思い始めてしまうんです。それで自分でも自分をどんどん追い詰めて、本当に味方がいなくなってしまう。だめですよね。唯一の味方無くしちゃ。いいことなんて何もありません。
まぁ今はもう自分が悪いなんてそんなこと、微塵も思いませんけど。
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