12.助けなんてない

 ある時、スマホでC君とやりとりしてるときの画面を母に見られたんです。その時私の母親、なんて言ったと思います?

『そんな会話しないで、気持ち悪い』って言ってものすごく怒られたんですよ、私が。

 なんで自分が怒られてるのかわからなくて、ものすごく泣きました。だって、やり取りを見られたから、やっと話聞いてもらえる、助けてもらえるって思ったのに。それなのに話聞いてもらえるどころか怒られるって……。

 なんで私が怒られたのか今でもわかりませんし、このことは絶対忘れません。忘れられません。この時私は悟りました。あぁ、私の周りに味方なんて誰一人といないんだな、と。

……そういえば、ゲーム機壊されたときも怒られたのは私だったっけな。

 もちろん、怒られたあとだってその会話が終わる訳がないのでずっと続いてましたよ。

 ちゃんとCくんに、私が怒られるからこういう脅しとかの会話やめて欲しい、って言いました。でもそんなんで収まるわけないじゃないですか。そんな簡単に収まるならもっと前から無事に収まってたと思いません? こんなの、言うだけ無駄でしたよね。

 それ以降も母に会話が見つかると、決まって私が怒られました。

 会話しなければいいって思うじゃないですか。でも、無視すると翌日何されるかわからなくて怖いし、写真ばらまかれてもおかしくなかったので、できませんでした。

もう家にも学校にも味方なんていない。そう知ったときの絶望があなたにわかりますか? きっと、経験したことある人にしかわからないと思います。味方なんて一人もいない。自分の周りの人が全員敵に見える。そんな気持ちに陥ってしまうんです。

……心が、死んでしまうんです。

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