9.どうしても、怖くて

 え? あぁ……たしかに、周りの誰かに相談すれば良かったのかもしれませんね。でも、私にそれは出来なかったんですよ。

 最初のうちは、誰かに言おう、言わなきゃ、って思ってたんです。誰かに相談しなきゃ、助けを求めなきゃ終わらない、って。それくらいちゃんとわかってたんですよ。でも、なんて言えばいいかわかんなくて、言ったときの反応が怖くて、結局言えませんでした。さっきも言った通り、まわりの人はみんな敵に見えますし、何をするのも怖く感じてしまうんです。

 しばらくするとCくんが私に猫耳つけて手で猫のポーズとって顔がちゃんと写ってる自撮りを要求してきたんです。もちろん、例の脅し付きで。

 前撮ったのはゲーム機だったから画質が荒くて嫌だったんでしょうね。そのうち脅しとしての効力を失っちゃうとでも思ってたんじゃないですか? 私にとっては十分すぎるほどありましたが。

 送りましたよ、もちろん。そりゃあちょっとくらい嫌だって駄々こねましたけど、脅されたら、ねぇ……。怖いから従うしかないじゃないですか。なにされるかわかったものじゃないですし……。

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