暗器屋さんと初勤務
「いらっしゃいませー」
「いらっしゃいませー」
「もっと声大きく行こうか。いらしゃっいませー」
「はい、いらしゃっいませー!」
「いいね~そんな感じ」
「はい!いらしゃっいませー!」
「そうそう!」
普段は客の入りが悪く、静かな場所だがいつもよりも山に囲まれた田舎に声が響き渡る。ここは『中根商店』まあ、昨日新しい人が店に入ったからなんだけどね。
「店主、よっぽど新しい従業員が嬉しいんですかね?」
店主と今日から従業員の新卒の白神が先程からずっとあいさつの練習をしているか、ちょっと離れた場所でだらだらしているなか、佐々木がぼそっと呟いた。
「さあね?」
「どうでしょうかね。まあ、僕の時はあんなことやりませんでしたけど。」
つーかそもそもそんなに張り切って接客してないだろこの店。
「わたしもやってないですね」
佐々木もか。
「私はどうだったかしら?」
「シオンさん思い出せ無いくらい昔にこの店に入ったんですか?マジで何歳ですか?」
「毎回うっさい。あ、客来た」
シオンの声に反応して入り口に目を向けるとキョロキョロしたひ弱そうな若者が入って来た。
「お、店主は白神さんを召喚するようですよ」
「あーいう客ってめんどくさいのよね。自分から何が欲しいとか言わないくせにこっちがこれどうですかーって聞くとうーんみたいな反応するし何が欲しいんだよ!って」
「あーわかります。さらに自分も話かけるのが苦手だとどうすんだよこの状況!ってなるんですよね」
「あー」と二人も同意をしていた。
「「「まあ、長ーく見てみましょうか」」」
※ここからは白神と客のやり取りをできる限りダイジェストでお送りいたします。
白神 「い、いらっしゃいませー! (お客さんだ…緊張するなぁ)」
客 「あ、ど、どうも (びくったー!)」
白神 「・・・・・・(き、気まずいよ…)」
客 「・・・・・・ (どうやって注文を…)」
白神 「・・・あのっ」
客 「・・・あのっ」
白神・客 「すいません…((気まず過ぎる!))」
傘・佐・シ「「「お見合いかよ!」」」
傘喰 「初々し過ぎるだろ!なに?どこのカップルなの?ねぇ!?」
シオン 「なにこのもどかしさ!なんて恋愛漫画!?」
佐々木 「俺様系とかのあり得ないやつよりもよ
りもこういうリアルな感じの恋愛漫画
の方が好きですね、わたし」
白神 「し、仕方ないじゃないであうか!始めての接客なんですよ!」
(か、噛んじゃった~!う~!)
傘・佐・シ 「「「噛んじゃった~!じゃねえよ!かわいいじゃねえかよ!」」」
白神 「心を読まないでください!」
客 「あ、あの~」
シオン 「やべえな!おい!」
傘喰 「消しゴム落としちゃったりすると優しく「これ〇〇君の?」って拾って微笑ん
でくれる優しいけど目立つのが苦手系
キャラだったかー!」
(完全にアタリキャラがこの店にやって来てくれたようだっ!ありがとうっ!神様!宗教なんて信じてねえけど)
佐々木 「傘喰さん…急に血涙を流して倒れてどうしたんですか!?大丈夫ですか!?
傘さんっ!傘喰さーん!」
白神 「あわっ!あわわわ!どうすれば!シオンさん引っ付いて来ないでー!」
シオン 「良いではないか良いではないか!白神ちゃんよ~!」(スリスリ)
客 「あの~すいませ~ん」(う、うわーなに
この店。変な所に来ちゃったなぁ)
店主 「あーはいはい。すいませんね。で、今
日は何をお求めで?」
客 「あ、あの~このお店ていつもこういう
雰囲気なんですか?」
店主 「そうですよー」
客 「そ、そうなんですか…」(こんなテンシ
ョンの店が武器を持ってるって何しで
かすか怖いなぁ。)
店主 「で、何をお求めで?ドラグノフ、
M1911ガバメント、デザートイーグ
ル、M134。ナイフから仮想の兵器ま
でをモットーに色々取り揃えてます
ので、何なりとどうぞ」
客 「え、えーと…また来ますので見逃して
ください!」(逃亡)
「あーあ。逃げちゃった。何やったんですか?店主」
カオス空間から戻って来た佐々木がBダッシュで逃げて行った客が出ていったドアを見ながら尋ねた。
「僕は2ちゃ〇ねるのモットーっぽく言ってみたんだけどね」
「ふーん、面白くないですよ」
「知ってた」
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