暗器屋さんは暇
今日もいつものごとく山に囲まれた田舎に存在する『中根商店』
「暇っすね」
「暇って言うから暇になるのよ。…でも暇ね」
「暑いときはよくそういうに言いますけど暇な時ってそういうの適用されるんですか?」
「知らないわよ。そんなこと」
「無責任な…」
「もーいーよ。撃ってくるわ」
「僕もお供して良いですか?」
「別に良いわよ」
シオンについていって店の奥の訓練部屋みたいな大きい空間に入った。
「この店って外からみると小さい一軒家なのに中に入ってみると部屋数がおかしいことになってる気がするんだけどもこれもぽんぽんの技術ですか?」
「うーん」
シオンは少し考えた素振りを見せたがすぐに「知らないわよ」と帰ってきた。
ぽんぽんに直接会ってみたいな。人外生物だったらどうしよう。てかシオンさんの友達とかろくなもんじゃないだろ友達いない僕が言うのもなんだけど。てか友達ってどうやって作るんだろう。やっぱり学校で?
《射撃訓練を開始します。訓練者以外は部屋から出てください。繰り返します。射撃訓練を…》
機械音のアナウンスが聞こえる。そんな機能ついてんの?すげえな。
「なんで射撃訓練なのに…あ、跳弾か。なんか訓練を見るところないですか?」
「この部屋出て右にあるわよ。ってかここ初めてなの?」
「まあ、僕は刀なのでこういう所に来て訓練する必要が無いんですよ。庭先とかでやれるんで」
「楽で良いわね。邪魔だからもう出てって貰えると嬉しいのだけど」
「さーせんすぐ出まーす」
訓練部屋出てすぐの右の部屋に入ってみるとガラス越しに訓練部屋を見ることができるちょっとした部屋だった。
「ほー、すげー。競馬のVIPルームみたいだなー」
結構驚いてしまい口に出してしまった。4人しか従業員がいないこの店でどうしてこんなVIPルームがいるんだろうか。っていうかこんなの作れるぽんぽんとこの店の財力すげえな。
どれだけ考えても答えの出ないことを考えていると訓練部屋のシオンの準備が終わったらしく床から出てきたコンソールを操作している。
慣れてんなー。
《これより射撃訓練を開始します。秒読み開始。3、》
お、いよいよ始まるのか。ん?でもシオンさん何も持ってないけど。
《2》
普通の的が起き上がるのを撃つとかなのかな?
《1、開始します》
開始のアナウンスと共に50m程先にぽっかり空いた地面から現れたのは普通の的ではなく銃をもった2足歩行のロボットが数体だった。
「ロボット的にすんの?勿体なくない?」
さらに増えている。持っている銃の種類も増えてきているがシオンは動かない。
「何やるつもりなのかな?暇だな。…独り言がすっごい虚しくなってきた」
ロボットの数が30体になってようやく両方が動き出した。
ロボットは持っている銃を一斉掃射するのに対してシオンは走ってロボットの元に詰めようと弾丸を全て避けている。
「撃ってるの実弾じゃないですかヤダー」
ほんとなんなんだあの人。次元〇介先輩ですか?大抵の銃のくせは把握してるみたいな事言ってたし。
「てか射撃訓練ってロボットに対してのってことですか!?てかほんとに誰か反応してくんない?独り言が虚しくてたまらないんだけど」
頑張って僕一人で繋げてるんですよ?あ、シオンさんシャゲダン始めた。ロボットに煽って意味あんのかな。
場所は変わって『中根商店』の横に佇む小屋、白神の工房にきた。ちょっと前までは張り切って声だしをしていた白神は店先にでず、ここで商品開発をしている。
まあ、訓練部屋にいても次元が追いつかないって言うか、僕にまだ早いって言うか...すいませんもう繋げられませんでした。戦闘描写ってムズくないですか?
まあ、ということで、ドアをノック
「白神さんあーそびーましょ」
「やーだーよ」
「いいじゃんイイじゃんノリよくなってきたよー!...でも即答で断るのはちょっと酷くない?」
「あざーすっ!先輩!( 厂˙ω˙ )厂ウェーイ...で何の用ですか?」
「え、まあなんというか暇だったからなんとなく」
「暇なんですか」
「うん。ほんとに暇」
「ひまひま言うからひまになるんですよ」
「シオンさんにも言われたよ。ていうかドア開けてくれないかな?」
「だが断る!」
「『だが』の部分要らないんじゃないかな?」
「言ってみたかったんですよ」
「あーあるある。ここは俺に任せて先に行けっ!みたいな」
「ハードラックとダンスっちまったとか」
「 ...ねえ白神さん何歳なの?っていうかほんとにドア開けてくれないかな?一回目の『ドア開けてくれない?』からずっと叩き続けてるんだけど!?」
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