お題2『最後の5分間』 短編『風鈴夏残』

作者 くさなぎ そうし

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★★★ Excellent!!!

爽やかな初夏の風を閉じ込めたような素敵な作品です!

風鈴という題材に涼しさを感じ、日頃からの仲の良さを感じさせる家族の会話で心が暖かくなりました。
……実際にはガラス風鈴の工房のお話なので、お話の舞台はムチャクチャ暑いのかもですが、軽やかな文章のせいか不思議と暑い印象は受けません。
透きとおった琉球ガラスに描かれたハイビスカス。緑の香りを乗せた風とともに響くチリンという音色。談笑しながらニコニコと笑う家族。そんな中で、風鈴を作る主人公の綾音。とても絵になるお話だと思います。

タイトル通りに綾音の風鈴が私の夏の思い出として残りました。
ぜひ朗読でも聞いてみたいです!

★★★ Excellent!!!

疾(はや)きこと風の如く、徐(しず)かなること林の如く、侵掠(しんりゃく)すること火の如く、動かざること山の如し

"ふうりんかざん"と聞くとイメージするのはこの「風林火山」でしょう。


でも本作の"ふうりんかざん"は違います。とても日本らしく、そして夏らしい"ふうりんかざん"です。

爽やかなること風の如し、涼やかなること鈴の如し、熱きこと夏の如し、余韻に浸ること残の如し

その音が聞こえてきそうな「夏の短編」はいかがですか?