9話 夏休み
田舎の夏休み。
男の子は虫取りに向かう。
女の子は花包み。
プールも遊園地もない。
何もないこの場所だが、俺らは、はるかにとある所に連れて行った。
足元の悪い山道…。
はるかは少し不安そうな顔をしていた。
「ねぇ?どこに行くの?」
「いいからついてきて」
順は、はるかに言う。
30分ぐらい山道を歩くと、あたりは木だらけだ。
水が流れる音がする。
川だ。
「俺の手を繋いで、目を閉じて」
笹久保はそう言った。
「うん」
「ついたね」
順が言う。
「いいよ。目を開けて」
笹久保と順がはるかに言った。
目を開ける。
すると、そこには絶景が広がっていた。
「何ここ〜!?すごーい!」
はるかは言った。
「すごいだろ。春香の滝だ」
「春香の滝?」
自分の名前の滝だと疑問に思っていた。
「読み方が同じなの」
笑いながら、はるかは言う。
順が小さな声でささやいた。
「はるかをここに連れてきたかったんだ」
鳥のさえずりが聞こえる。
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