4話 過去I
時は小学5年生。
その夢を見るようになったのは、俺に新しい友達が出来てからのことだった。
その子の名前は「はるか」
本名は分からない。彼女自身が隠しているみたいだ。両親が小さい頃に離婚をし、母親に育てられていた。彼女は転校生だった。
東京からやってきたらしい。
こんな田舎にどんな理由があってきたのか分からなかったが、彼女は転校してから友達という友達が出来なかった。そんな中、当時、俺と仲が良かった名川が彼女に声をかけた。
「はるか」と。初対面の女の子に下の名前で呼ぶことがものすごく抵抗感があり、男子たちは声をかけなかったみたいだ。
すると彼女は…。
「君の名前は?」
と、返してきた。
「あ、そういえば自己紹介をしてなかったね。俺は名川潤。俺も転校生なんだ。小学2年生の時にこの学校に来た。初めてだからいろいろ不安だよね。もしよかったら友達にならない?」
すると彼女は、首を縦に振って言った。
「ありがとう。私ははるか。東京から来たの。この学校は女の子が少ないのね。」
「そうなんだよー。女子が少ないんだよ…。」
と、会話の中に入ってきたのは、笹久保だった。
「だから、出会いが無くてさ…」
と、笑いながら言う。
「そうなの。」
と、彼女も笑いながら言った。
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