第44話 真の愛の幻影

全ての行為の原因がひとつの欲望に帰されるなら、


その欲望はは、さらに愛に帰結するだろう。


ひとりだ。


しかし、こんなに荘厳で、聖なる気持ちに満たされて。


あらゆる人の生涯が、目のうちに、走馬灯のように見えた。


恋愛自殺の少女。


雨の中、愛人と会合する不倫男。


笑いながらパフェを食べるカップル


みんな苦しそうだね。


愛があまりに大きいと苦しみになるんだね。


君が、捨てられた子猫のように健気だったあの夜、


そのかわいさに負けて、君を拾った。


大晦日に、一生一緒にいようと誓った。


心を開いた君は、美しかった。


悦楽で、僕たちの周りの空気は真空になった。


罪だろうか。愛に身を任せることは。


神であれ、それを罪とさせるわけにはいかない。


もう一度、人生を歩むとして、ためらわず、もう一度!


ということができるだろうか。


私はそんな風に生きた。


愛をあざ笑うなんて恥ずかしいことだよ!


私を大人の男にしたのは君だよ。 はははっ。

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神の黄昏は明日の許し maitreyadasa @maitreya

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