第41話 黄昏の告別

人間の愛は実に複雑だ。


しかし、私は、物事を単純に見て解決するすべを覚えつつある。


魔術師と儀式主義者は、最も地に足をつけた種族である。


恐れるな。


失敗を恐れるな。


プライドへの執着を捨てよ。


今、高校時代なかのよくなった同級生との記憶がよみがえってきた。


しかし、私自身は、ほとんど怒りを覚えることはなかった。


自我が脱落しているからである。


愛情より感謝は偉大であり、感謝より自由は偉大である。


あらゆる苦しみから解放された私は、悲しみや苦しみや喜びを全力で生きる、一市井の民。


radhesyama


恐れがないやつなどいない。


恐れつつも前進し続けるものを勇者と呼ぶ。


この残酷な自然界を生き抜け!


闇とか悪と呼ばれるものは、覚醒したものから見れば、純粋な力であり、光であり善である。


俺はリアルなものをもとめているんだ!


力を!


どんな醜いものも暗いものも乗せることができる自由を!


プライドとアイデンティティは違う。


アイデンティティとは、自分自身を信じ、暗闇へと入っていく力のことである。


矢に射られた鹿のように苦しみながら逃げ惑う。


あとちょっとだ。


ゴールに達するまで。


ゴールに達したら別のゴールを見るだけだ。


フィリポの十字架


地面と垂直に勃起したペニス。


騎乗位のときのペニスは、天をむいた聖ペトロ十字であり、創造主ブラフマーである「女」に最も喜ばれる体位のひとつである。



俺は、もう昔の、プライドばかり強くて弱く、ありのままを見れなかったころの俺じゃないんだ。


闇と悪を鋭く知り尽くすことが男としての自立の条件だ。


今、8年前、恐る恐る悟りを求め始めた求道者の青年は、勇者になっていた。


そいつが、人生でどれくらい打ちのめされて、闇を見てきたかは、


その深さは、見ればわかる。


闇は人の我を落とすからである。


チンポ騎士団は、女の闇なんか見てない。


やつらは弱いやつらだ。


ブスフェミ野朗共め。今に見てろよ!


いや、非真実なものは現象界に存在していてもすでに死んでいのだ。


たくさんの闇を見せてくれて世界よありがとう。


女よありがとう。


おかげで強くなれたよ。


構造と象徴を超えた超越的なものがあるのではない。


その中に浸透し、それ自体の矛盾を暴きだし、其の非一貫性ゆえに、それは深淵を見せるのである。



闇は今日も豊穣であった。


夕日はあの、電車に飛び込んだホームレスのおっちゃんの真っ赤な血の色であたりを染めていた。

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