第13話 帝王


赤と紫に染まったあの黄昏が私の魂を蝕む。


闇がもう一人の自分を創る。


置いていかないくれ。


朧月夜に咲いた蓮華の花よ。

俗世の砂塵から厭離された大安楽なるヴァジュラサットヴァよ。


勝義の光明よ!来い!


この光明は断じて同一化からくる偽の光明ではない。


愛のヒンヅータントラ 智恵のチベットタントラ


ヴィマルシャシャクティ


神の鏡なる女神。


俺は、自分に忠実に、本当になりたい自分になれたかな。


後もう少しだ。


あそこに安らぎが見える!!


最後の力を振り絞って歩こう。


自分の墓は自分で掘るものだから。

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