第12話 リアルな母
自然は荒々しく暴力的で猥雑な母だ。
英雄の青年が取った剣により、魔女の魔法が解かれたとき、
花園は一瞬で廃墟へと姿を変えた。
われわれは大昔から一向に変わってない雌と雄の集まりだ。
精神が解けた。
肉体に吸い込まれた精神は、やはり精神も肉体から生まれたに過ぎないいことを知らしめた。
もっと夢から覚ませてくれ。
自然に帰りたい。
今がそのときだ。
女には性的オーガズムを、男には悟りを与えたまえ。
dakini shakni rakini lakini hakini
愛を知ったとき、私はまだ愛があるわけではなかった。
愛と慈悲が消えて初めて、我が落ちて愛を知ったのだった。
一生懸命部下のことを考える上司は、まさにその偉大さゆえに他者を抑圧してることに気づくことはなく、リアルなプライドに目覚めた男は、間抜けな上司の言うことを聞けるはずもない。
一切の事象それ自体は空であり、自然は覚者の円満さをたたえる。
真の教えは、世界そのものであり、すべての教えは方便に過ぎない。
すべては自由であり調和している。
また、すべては絶対に不自由であるから。
チューリップは桜になれない。
絶対の自由とは、チューリップが桜になりたいと思わないところ生じる。
つまり、適したことをして本分を輝かせること、その調和こそが自由なのだ。
無意識は成長しない。
われわれは豚のままだ。
意識が無意識に従うことこそが成長と呼べるだろう。
愛が連れて行くところに行くときにわれわれに問題は生じない。
抗うのはやめて、無理するのもやめて、
今はあの久遠なる夕日に向けてリラックスする。
そうすると世界もリラックスして私に近づいてくれた。
やがて、世界と私はどんどん境界を失って、われわれは溶け合った。
そのとき存在の意義は、賭けであることを理解した。
観念という柵が脱落したとき、私は自然となった。
明日また会おうね。夕日に向かって私は微笑むと、夕日も微笑み返してくれた。
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