第4話 ほっそりとくびれた腰

俺を蝕むあの死神。


ああ。罵声に削り取られていく自尊心。


俺は人生を生きるんだ。


滝の流れの中に身を浸して現実逃避する柄じゃない。


私のとか私が消えていく。


悲哀が止むあの、果てた山。


女とは愛の大海だ。


その中に消え去るのは一瞬足がすくむ。


ああ、時間よ、止まれ!


東洋の神秘


魂のペンタトニック。


私は女性性を会得したぞ。


人生という戦場で、観念に逃げることを是とせず、


精一杯戦ってきた。


プライドが削られ、安らぎが近づいてきた。


精一杯、感情的になりながら、健気にも弱くそして、一生懸命生きてたときが俺にもあったな。


とっても輝いてた人生だったな。


強がって悲しみを感じない鈍感な人間なんかじゃない。


真実の人生を生きた。


若いときこれ以上苦しい人生はないというほど生きた。


しかし、さらに苦しいことが、進めば進むほど起こってきた。


しかし、今、まだいける。まだ俺は生きれる。そんな風に思う。


ああ、これを書く指も限界まで力を振り絞って書いている。


あらゆる二元性は、大いなる知恵の天秤で解消される。


あらゆる二元性は男女に帰結する。


よく見れば、女性の中にも男性性があり、


男性の中にも女性性がある。


陰のなかにも陽があり、陽の中にも陰がある。ということを孔子が説明していた。


君は、妖精のようにやわらかくて優しかったね。


君の豊かな乳房は今でも眼に焼きついている。


あらゆる人生における問題は、人生を愛するものにとっては、沈む行く夕日の美しさ同様に美しい。


時間は敵だ。


私は深く深く生を愛している。


同時に、この醜い世界をヘイトしてもいる。


明日を生きるために過去を無理やり肯定して生きるのではなく、


ただ、過去がすべて無駄でないと知る。


そのとき、明日につながる今を本当に生きている自分がいる。


西のほうを見れば、真っ赤な夕日が輝いていた。

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