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2018年9月23日 23:26 編集済
「サイバーセキュリティ」からこのお話を作り出す、ということに感服です!ラストは凍死も自殺もなくてよかった!キャラクターもチャーミング、ぐふっとくる笑いあり、ほろっとくる場面あり、沢田さん節全開!?で楽しませていただきました。以下、余談です。再読してからコメントとレビューを、と思っているうちに、秋が来てしまいました、すみません。読了後は、なぜか「レキシ」が聴きたくなります。密かに、トヨトミには闇があってほしい、などと思っておりました。私的にも「ふふふ」なエピローグで、楽しませていただきました!
作者からの返信
いやもう応援とコメントだけで有難いのに、再読してから更にコメントとレビューなんて、作者としては望外の喜びであります。ありがとうございます。寒くなるバッドエンドは捨てて、暖かい南国でハッピーエンドにしてみました。「沢田さん節」ってのも嬉しいお言葉です。特に意識はしていなくても各作品に共通する何らかの特徴が形成されているのでしょうね。「レキシ」って知らないのでググってみたらミュージシャンですね。歴史を感じさせる風貌ですな。余談ですがこの作品にはエピローグがあります。結局投稿しなかったのですが、こんな感じです。エピローグ 昼の休憩が終わりに近付いた頃、データ管理室に一人の男が入って来た。数日前にサーバ管理室へ転属となったトヨトミだ。「あら、トヨトミ君。どうしたの。何か御用?」 休暇中のトクガワに代わって室長を務めている副室長が声を掛けた。トヨトミはにっこり笑って頭を横に振る。「別に用事はないの。トクガワちゃん不在のデータ管理室がちょっと心配になっちゃって。人手不足ならあたしの手を貸してあげるわよ」「ありがとう。お気持ちだけ受け取っておくわ」 データ管理室は激務な部署ではない。トクガワとオダの二人が長期休暇を取り、トヨトミが別部署へ異動となっても、新たに雇い入れた派遣社員が一人いれば、それだけで業務は回っていく。「そう言えばトヨトミ君は秀吉の子孫なのでしょう。トクガワ室長と親友なんて不思議ね」「あら、どうして?」「家康は豊臣家を滅ぼした張本人。トクガワ室長はその子孫。言ってみれば敵同士みたいな間柄でしょう」「そうね。家康がいなければ豊臣が天下を取っていたかもしれないわね。ふふふ」 最後にトヨトミの口から漏れ出た笑いは副室長に後悔の念を抱かせた。余計な事を言ってしまったかも、そう思わずにはいられなかった。「そ、そうだわ。午前中にサーバ管理室に送った案件の結果は出たのかしら。昨日午後零時、メインフレームに不正アクセスが発生したみたいなのだけれど」「ああ、あれ。メンテナンスに伴うバグじゃないかって話よ。正式な回答は後ほど送られてくると思うわ」「バグですか。了解しました」「それではあたしはこれで。トクガワちゃんの沖縄土産が楽しみだわ」 トヨトミは会釈すると副室長のデスクから離れた。歩きながら窓外の風景を眺める。遠くに名古屋城が見える。かつての徳川の世を賛美するかのように金シャチが輝いている。『そうよ、家康さえいなければ豊臣の世になっていたに違いないのよ。今のあたしならそれを実現させられる。ふふふ』 トヨトミは名古屋城を見詰めた。その瞳には魔性の光が宿っていた。
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「サイバーセキュリティ」からこのお話を作り出す、ということに感服です!
ラストは凍死も自殺もなくてよかった!
キャラクターもチャーミング、ぐふっとくる笑いあり、ほろっとくる場面あり、沢田さん節全開!?で楽しませていただきました。
以下、余談です。
再読してからコメントとレビューを、と思っているうちに、秋が来てしまいました、すみません。
読了後は、なぜか「レキシ」が聴きたくなります。
密かに、トヨトミには闇があってほしい、などと思っておりました。
私的にも「ふふふ」なエピローグで、楽しませていただきました!
作者からの返信
いやもう応援とコメントだけで有難いのに、再読してから更にコメントとレビューなんて、作者としては望外の喜びであります。ありがとうございます。
寒くなるバッドエンドは捨てて、暖かい南国でハッピーエンドにしてみました。「沢田さん節」ってのも嬉しいお言葉です。特に意識はしていなくても各作品に共通する何らかの特徴が形成されているのでしょうね。
「レキシ」って知らないのでググってみたらミュージシャンですね。歴史を感じさせる風貌ですな。
余談ですがこの作品にはエピローグがあります。結局投稿しなかったのですが、こんな感じです。
エピローグ
昼の休憩が終わりに近付いた頃、データ管理室に一人の男が入って来た。数日前にサーバ管理室へ転属となったトヨトミだ。
「あら、トヨトミ君。どうしたの。何か御用?」
休暇中のトクガワに代わって室長を務めている副室長が声を掛けた。トヨトミはにっこり笑って頭を横に振る。
「別に用事はないの。トクガワちゃん不在のデータ管理室がちょっと心配になっちゃって。人手不足ならあたしの手を貸してあげるわよ」
「ありがとう。お気持ちだけ受け取っておくわ」
データ管理室は激務な部署ではない。トクガワとオダの二人が長期休暇を取り、トヨトミが別部署へ異動となっても、新たに雇い入れた派遣社員が一人いれば、それだけで業務は回っていく。
「そう言えばトヨトミ君は秀吉の子孫なのでしょう。トクガワ室長と親友なんて不思議ね」
「あら、どうして?」
「家康は豊臣家を滅ぼした張本人。トクガワ室長はその子孫。言ってみれば敵同士みたいな間柄でしょう」
「そうね。家康がいなければ豊臣が天下を取っていたかもしれないわね。ふふふ」
最後にトヨトミの口から漏れ出た笑いは副室長に後悔の念を抱かせた。余計な事を言ってしまったかも、そう思わずにはいられなかった。
「そ、そうだわ。午前中にサーバ管理室に送った案件の結果は出たのかしら。昨日午後零時、メインフレームに不正アクセスが発生したみたいなのだけれど」
「ああ、あれ。メンテナンスに伴うバグじゃないかって話よ。正式な回答は後ほど送られてくると思うわ」
「バグですか。了解しました」
「それではあたしはこれで。トクガワちゃんの沖縄土産が楽しみだわ」
トヨトミは会釈すると副室長のデスクから離れた。歩きながら窓外の風景を眺める。遠くに名古屋城が見える。かつての徳川の世を賛美するかのように金シャチが輝いている。
『そうよ、家康さえいなければ豊臣の世になっていたに違いないのよ。今のあたしならそれを実現させられる。ふふふ』
トヨトミは名古屋城を見詰めた。その瞳には魔性の光が宿っていた。