第20話 閑話
後日、マコちゃんの給料を取りに、ファミレスまで行った時の話。
わたしは一人で取りに行った。
マコちゃんにはもうあの人達に会わせたくないので、説得して留守番をしてもらった。
事務室に通されると、店長と頭を丸めたチャラ男が背筋を伸ばして立っていた。
このファミレス、やっぱりお父さんの関連会社だったみたい。
チャラ男は正社員の内定が決まっていたのに問題を起こしたものだから、内定取り消しの話が出たんだけど、頭を丸めて反省して踏みとどまったんだって。
別にマコちゃんの給料を取りに来ただけなのに、平謝りされちゃって。
セクハラ受けたのはわたしじゃないっていうのにさ。
今までの経緯をマコちゃんに訊いたら、わたしが見たのが一番酷い行為だったみたいで、「もうお許しになってください」と寛大な言葉が出たんだから、感謝しなさいよね。
でも考えてみると、マコちゃんが覗くなと言っていたのは、セクハラ行為をされていたことをわたしに見せたくなかったのかもしれない。
うちに帰ってマコちゃんに給料を渡したら、わたしにお礼を言った後、すぐにお母さんのところへ持って行って、「お納めください」と差し出したの。
案の定、お母さんに「自分のために使いなさい」って怒られてた。
マコちゃんには悪いけど、お母さんグッジョブ。
どうしようか困っていたマコちゃんが「できしましたら、皆様のために使いとうございます」と嘆いていたので、わたしは「そしたらみんなでケーキをご馳走になるね」って提案して、わたしの家族とマコちゃんと沙織で仲良くケーキを食べたのでした。
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