サプライズ
【ファムSIDE】
怪しい……。何を作っているのか教えてくれなかったし見せてもくれなかった……。
「もしかして浮気? でもそんな感じではなかったんだよなぁー」
私は疑問に思いながら温室での作業を続けることにした……。
「あっ、ご主人、こんなところに居た! かなり探したんだからね! 夕飯出来たから食堂に来てね」
そういって滝の外に戻っていくので俺は出来上がった物を持って食堂に向かう。
「今日の夕飯はTボーンステーキです」
そういって、棚から降ろしてあげた大きなお皿に盛り付けて持ってきてくれた。
「ありがとう、俺からも食事前に渡したい物があるんだけど良いかな?」
そういってお昼から滝の横穴で作っていたものを取り出す。
「えっ、私達にも戴けるんですか?」
フレイヤとフレイの首にはガーネットとルビーがはめ込まれたネックレスをかける。
「当たり前だろ? 二人は家族なんだから」
そういってファムさんの前に行く。
「左手を出して」
差し出された左手の薬指に金で作った指輪をはめる。
「結婚指輪……。渡せてなかったから」
そういって頬を掻きながら苦笑いをしてファムさんを見つめると『ありがとう、嬉しい』と言っているのにファムさんは瞳から涙を流している。
「ごめん、手作りだったから不格好になっちゃって……。やっぱり、装飾品とか売っているお店に行く?」
泣き出してしまったファムさんに尋ねると彼女は首を横に振っている。
「違うの! そういうことじゃないの! 嬉しくて、ただ嬉しくて涙が止まらないの……。大好きです。私はシグルドさんの事が大好きです! だからずっと、ずーっと一緒にいてください」
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